大ヒット映画から半世紀の時を経て
この度、全世界で5000万人を動員したシルビア・クリステル主演の映画『エマニエル夫人』から50年の歳月を経て、新たに『新訳 エマニエル夫人』が書籍として刊行されます。この新しい版は「無削除完全版」として、20世紀を代表する官能文学である『エマニエル夫人』の魅力を余すことなく伝えています。
官能文学の誕生
1969年、二見書房は既に翻訳を完了していた『エマニエル夫人』を発表しましたが、その内容が猥褻であるとされたため、警視庁から発行禁止の措置を受けました。しかし、当時の社長であった堀内俊宏氏は、その決定を打破するために担当官から不適切とされた箇所を聞き出し、必要な修正を施して再販。結果的に、この作品は国内で50万部を売り上げる大ベストセラーとなりました。このような背景を踏まえ、今回の『新訳エマニエル夫人』は当時削除された部分を全て復活させた完全版なのです。
内容とテーマ
『新訳エマニエル夫人』の物語は、主人公エマニエルが夫の転任に伴い、バンコクへ向かうところから始まります。彼女は飛行機内で見知らぬ男性と出会い、予期せぬ情事におよぶ。バンコクでは、夫のビジネスマンとしての日常を送るエマニエルが、現在の状況にどこか退屈さを感じます。その後、知人の紹介で「性の儀式」に参加することになり、彼女の人生は大きく変わっていく。彼女が見つめる「性の悦び」やエロティシズムの方向性が、作品を通じて描かれています。
エロティシズムの新しい視点
著者であるエマニエル・アルサンは、独自のエロティシズム観を持ち、作品において明るく希望に満ちた視点から人類の新たな可能性を描き出しています。多様な性の形態や、それに伴う喜びを巧みに表現することで、古い価値観にとらわれない新たな愛の形を提唱しました。この姿勢が、多くの女性たちからの支持を得たのです。
作品の概要
- - 書名: 新訳エマニエル夫人
- - 著者: エマニエル・アルサン
- - 訳者: 河村真紀子
- - 発行日: 2024年12月19日
- - ページ数: 336ページ
- - 価格: 2300円(税別)
- - ISBN: 9784576241265
このように、今回の新訳版は過去の名作を再評価し、性に関する深い理解を促す貴重な作品となっています。50年近く経った今も尚、魅力を失わない『エマニエル夫人』、あなたもぜひ手に取ってその世界に浸ってみてください。
まとめ
『新訳エマニエル夫人』の登場は、官能文学の金字塔が日常の喧騒の中で新しい風を吹かせる起爆剤となるでしょう。性や愛に関する真実を語りかけるこの作品を通じて、私たち自身の心の内を見つめ直す機会にしてみてはいかがでしょうか。改めて、性愛の奥深い世界を覗いてみる、そんなきっかけになる一冊です。