福島を支えるECサイト「シオクリビト」がグッドデザイン賞を受賞しました

福島県の生産者を結ぶECサイト「シオクリビト」

福島県商工会連合会が立ち上げたECサイト「シオクリビト」は、2022年度グッドデザイン賞を受賞しました。この受賞は、商品そのものよりも、福島県の生産者に焦点を当てた独自の取組みが評価されたものであり、注目されています。シオクリビトの基本的な理念は、生産者と消費者の距離を縮めることにあります。

シオクリビトの特徴

「シオクリビト」は、単なる商品の販売にとどまらず、生産者が愛情を込めて選んだ商品を、個別に購入者へ「仕送り」のように届けるサービスです。このような情緒的な結びつきを大切にすることで、売り手と買い手の長期的な関係の構築を目指しています。特に、コロナ禍の影響で観光や移動が難しくなった今、こうしたECサイトの役割はより重要になっています。

現在の社会背景

新型コロナウイルスの影響で、多くの消費者の行動やライフスタイルが変わりました。それに伴い、ECサイトの需要も高まっていますが、特に小規模な事業者にとっては競争が激化し、販売につなげるのが難しい状況です。その中で「シオクリビト」は、一方的な販売だけでなく、買い手と生産者との関係構築を通じて、福島という地域への理解や関心を促進することを目的としています。

デザインの工夫

「シオクリビト」のウェブサイトは、訪れる人々に親しみやすさを感じてもらうために、生産者に関する何気ないエピソードから始まる構成が特徴です。プロのカメラマンではなく、取材を行ったスタッフが使い捨てカメラで撮影した写真が多く使用されており、生産者の人柄をより身近に感じられるよう工夫されています。また、商品を購入すると、生産者からのおまけが付いてくるというユニークな購入体験も、従来のECサイトにはないポイントです。

グッドデザイン賞の評価

グッドデザイン賞の審査委員は、「シオクリビト」が生産者と消費者のつながりに重点を置いている点を高く評価しました。商品紹介が主流になりがちなEC市場の中で、消費者は商品を通じて生産者の人柄や物語も手に入れることができ、地域との新たなつながりを築く可能性を秘めています。これにより、「シオクリビト」は地域創生の新しいモデルとして注目されています。