半導体製造の新時代：SN Techの再生現像液工場が始動

半導体製造の新時代を切り開くSN Tech

大阪市の東大阪に、新たな試みを行う工場が設立されました。長瀬産業とそのパートナー企業、ナガセケムテックス、Sachem Inc.との合弁会社であるSN Tech Corporationによって運営されるこの新工場は、半導体製造に必須な高純度現像液「TMAH」の回収と再生を行うことを目的としています。この事業は国内初の試みであり、半導体製造の環境負荷を軽減する重要なステップとなるでしょう。

新工場の設計とその意義

新設された「SN Tech東大阪第二工場」では、TMAHを再利用するための高度な電解・精製技術が採用されています。新工場は2025年度中の稼働を予定しており、使用済みのTMAHを工場で回収した後、高純度のTMAHとして再生し販売することを目指しています。このプロセスは、環境への配慮とコスト削減を同時に実現することが期待されています。

半導体製造工程において、ウェハに回路を形成する過程には非常に高純度な現像液が必要とされます。しかし、TMAHの再生は複雑な技術を要し、再利用は困難とされていました。そこでSN Techは、過去の経験を基に独自の技術を用いて再利用に取り組んでいます。

持続可能なビジネスモデルの確立

新工場の稼働により、SN Techは半導体製造においての循環型ビジネスモデルを確立することを目指しています。TMAHや水の再利用、エネルギーの削減が進むことで、製造コストの引き下げ及び収益性の向上が見込まれています。また、持続可能性が求められる現代において、この取り組みは業界全体にとって重要な前進であると言えるでしょう。

長瀬産業の中期経営計画ACE 2.0では、「基盤」「注力」「育成」「改善」の4つの領域を掲げ、半導体分野における製造機能への強化が計画されています。本事業はその重要な一翼を担うものであり、今後の成長が期待されます。

世界市場への展開

SN Techの取り組みは国内にとどまらず、国際的な展開も視野に入れています。半導体関連ビジネスは今後ますます需要が高まる分野であり、この市場での存在感を示すことで、グローバルな競争に挑んでいく方針です。持続可能な環境配慮ビジネスモデルは、国内外の企業にとっても大きな魅力となり、SN Techはこれに向けて着実に進んでいます。

まとめ：新工場の可能性

SN Techの設立される新工場は、半導体製造における現像液の回収・再生という新たなビジネスチャンスを生み出すとともに、環境負荷の軽減やコストの削減に貢献する可能性を秘めています。今後の展開から目が離せません。企業としての取り組みにより、人々がより良い生活を送れる社会づくりに貢献する姿勢が、これからも注目されていくことでしょう。