Spiral.AIと博報堂プロダクツによる新たな生成AIプロジェクトの始動
コンタクトセンターの効率化と顧客体験の向上を図るべく、
Spiral.AIと
株式会社博報堂プロダクツが共同で新たなプロジェクトを立ち上げることが発表されました。このプロジェクトは、生成AI技術の進化を図りつつ、業務の質を高め、顧客との円滑なコミュニケーションを実現することを目指しています。
プロジェクトの背景
世界的に見ても生成AI、特に巨大言語モデル(LLM)の導入が進む中、コンタクトセンターにおけるAI活用の必要性が高まっています。この分野でも生成AIの活用により、業務プロセスの効率化や顧客サービスの向上が期待されています。しかし、既存の生成AIには「正答性」「情報セキュリティ」「ユーザー体験価値」といった課題があります。本プロジェクトではこれらの課題に正面から向き合い、解決に取り組んでいく方針です。
取り組むべき課題
1. 正答性の向上
生成AIが持つ「Hallucination(事実に基づかない回答を行う現象)」は、正確な情報が求められるコンタクトセンターにおいて大きな問題です。プロジェクトではファインチューニングやインデックス構築を通じて、正確な情報を提供するための多面的な改善を図る予定です。
2. 情報セキュリティの担保
個人情報を扱うコンタクトセンターでは、情報漏洩の防止が重要です。現状の生成AIには情報セキュリティ上の不安が残るため、本プロジェクトでは専用クラウド環境のセキュリティ検証やオンプレミスモデルの導入等を進め、安心できる環境づくりを行います。
3. ユーザー体験の価値向上
コンタクトセンターの応答は単に情報を提供するだけでなく、安心感や納得感を与える必要があります。このプロジェクトでは、ユーザーに寄り添うAIの開発を目指し、単なるロボットにとどまらない、人間的な応答手法を探求していきます。
技術開発の方向性
このプロジェクトでは、業務システムとカスタマーターフェースの2つの開発フェーズに分けて進められます。
- - 業務システム開発フェーズでは、コンタクトセンターの生産性向上を目指し、オペレーター向け研修や応答手法の提案を行うことで、AIの強化学習を行います。
- - カスタマーインターフェース開発フェーズでは、顧客が直接AIとやりとりできる環境を整備し、よりスムーズなコミュニケーションを実現します。
具体的には、情報検索技術の精度向上や、音声入出力インターフェースのシームレス実装に取り組みます。特に、顧客との通常の対話から問い合わせ内容を抽出する技術は、AIの利活用に向けた重要なステップとなるでしょう。
企業情報
博報堂プロダクツは、広告・プロモーションにおいてデータを基にした運用や最新テクノロジーの導入に強みを持つ企業です。一方、
Spiral.AIは、社会インフラ向けの高品質AI開発の実績を活かし、生成AIの社会実装に向けた取り組みを進めています。両社が連携することで、コンタクトセンター領域における革新的なサービス提供が期待されます。
このプロジェクトの成否は、業界の未来とも直結する重要な動きとなるでしょう。今後の展開から目が離せません。