起業に挑戦する福岡女子商業高校生たち
福岡県那珂川市に位置する福岡女子商業高等学校と、東京都品川区のフリー株式会社が共同で進める産学連携事業、『起業プログラム』の最終発表会が11月25日、福岡市中央区のGROWTH1で開催されました。このプログラムは学生が自ら考えた起業案を発表し、アイデアを形にする機会を提供するもので、今年の4月から始まりました。
プログラムの内容
このプログラムでは、ビジネスビューティーコースに在籍する2・3年生の生徒62名が参加し、50時間の授業を通じて“社会に必要な解決策”を考え、具体的なビジネスの形に落とし込んでいくという内容です。学生たちは、地域の課題から自身の趣味に関連するアイデアまで、自分たちの「なんとかしたい」という思いを言葉にしました。最終的には10名が選抜され、これまでの集大成として自らのアイデアを発表することになりました。
生徒たちの挑戦
参加者たちは、授業で得た知識や経験をもとに、実際の市場調査やフィードバックを重ね、自分たちのノウハウを活かしてプレゼンテーションを仕上げていきました。この発表会は、単なるビジネスコンペティションではなく、仲間を支え合う場でもありました。生徒同士がハイタッチでお互いの健闘を称え合う様子や、プレゼンを必死に聞き入る姿は、彼女たちの絆を感じさせます。
発表された個性豊かな起業案
最終発表に臨んだ10名の生徒たちは、それぞれ魅力的なアイデアを披露しました。例えば、上野結衣さんが提案した「メイクのサブスクサービス『chou chou Box』」や、久保田月乃さんが発表した「CD回収カフェ」など、メイクや音楽といった多岐にわたるテーマが選ばれました。特に注目を浴びたのは、長野幸芽さんの「ペット見守りサービス『おしらせふれんず』」であり、ペットの健康を守るためのデバイスを通じて、愛猫の苦しい体験を元にした心温まる起業案です。
最優秀賞の栄光
その中でも、最も評価されたのは長野さんのプロジェクトで、彼女は各審査員から高く評価されました。終了後、「認めてもらえたことが嬉しい」と語り、今まで培ってきた自信と挑戦心が、彼女の内面で大きく成長した印象を受けました。このプログラムを経て、「起業は自分の人生の選択肢の1つ」と捉えるようになったことが、彼女の視野を広げる結果となりました。
プログラムの意義
この『起業プログラム』は、単なるビジネスセミナーではなく、生徒たちにとってライフスタイルの多様性や自分らしさを再確認する機会となりました。高校生たちが社会に目を向け、自分が行うべきことを見極める手助けをするこの取り組みは、今後の人生においても大きな財産になり得るのです。生徒たちが自分を信じ、自らのアイデアを持って社会と向き合う姿勢は、多くの人々に勇気を与えました。今後、このような取り組みがさらに広がっていくことを期待します。