シンガポールの鶏卵農場
2022-10-25 11:09:59
イセ・フーズ・ホールディングス、シンガポールでの鶏卵農場建設が認可される
イセ・フーズ・ホールディングスの新たな挑戦
イセ・フーズ・ホールディングス(IFH)は、シンガポール食品庁から現地の4番目となる鶏卵農場建設の基本認可を受けたことを発表しました。この農場は、最新のインテグレーションシステムを導入し、卵の自動格納庫も設置される予定です。これにより、IFHは卵生産に必要な初生ひなの供給を自給自足する能力を持つようになります。
この新しい施設の完全稼働時には、年間3億6000万個の卵と最大500万羽のひなを生産できる予定です。この取り組みは、シンガポールにおける鶏卵産業の生産能力を現在の約30%からほぼ半分の水準に引き上げることを目指しています。
スマート養鶏の実現
IFHが計画している鶏卵農場では、人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)を駆使したスマート養鶏が実現します。特に、シンガポール国立大学(NUS)との共同開発による最先端技術を用い、職場環境の改善を図るために24時間体制のライブ遠隔監視システムが導入される予定です。
AIによる画像認識技術が活用され、鶏舎内の環境や鶏の健康状態をリアルタイムで監視します。これにより、鶏舎の最適な環境維持だけでなく、異常を検知した際には即座に獣医師へ通知が行き、迅速な治療が可能になります。また、作業の多くを自動化することで、スタッフはより価値の高い業務に集中できるようになります。これは、労働集約型の養鶏業における人手不足問題の解決にも寄与し、技術の進歩を促進します。
持続可能な農業の実現に向けた取り組み
IFHの施設では、エネルギー効率の向上と環境に配慮した廃棄物管理が積極的に行われます。特に、二酸化炭素排出量ゼロ、高品質の肥料の生産、化石燃料の使用削減、水のリサイクルといった目標が掲げられています。さらに、再生可能エネルギーの利用や、省エネ照明器具の導入なども考慮されており、持続可能な農業の実現に向けた道筋が示されています。
IFHの吉川月乃CEOは、「SFAから承認を受けたことを心より喜んでおります。これはシンガポールの鶏卵生産を大きく向上させ、食料安全保障の強化に繋がります」と語りました。また、IFHは日本国内での高品質な飼料用穀物や食用穀物の生産にも取り組んでおり、飼料の安定供給が重要であるとしています。
期待される影響
シンガポールのグレース・フー持続可能性・環境大臣は、IFHの進捗を称賛し、新しい卵生産施設がシンガポールにおける農業食品の持続可能性を高めることを期待しています。2024年にはこの施設がオープンする予定であり、地元の雇用創出に寄与することが期待されています。
IFHへの投資を行ったエリプシズ社のCEO、ケルビン・ラム氏は、「このプロジェクトによって、政府の30by30目標達成にも寄与し、シンガポールの食の持続可能性の向上に役立つと思います」と述べています。
このように、イセ・フーズ・ホールディングスはシンガポールの鶏卵生産に革命を起こすべく、持続可能な未来を見据えた高科技農場の整備に取り組んでいます。
会社情報
- 会社名
-
ISE FOODS HOLDINGS Pte Ltd
- 住所
- 54 Serangoon North Avenue 4 #05-02 Singapore 555854
- 電話番号
-
070-4816-1926