中小企業のシステム開発における適正価格とベンダー選定の実態
株式会社もばらぶは、一般ユーザー向けのシステム開発に関する調査を実施し、中小企業の経営者や情報システム担当者107名からのデータを収集しました。調査の結果、適正価格を設定する際の重要なポイントや、ベンダー選定における課題が浮き彫りになりました。
調査の背景
2013年に設立された株式会社もばらぶは、千葉県茂原市に本社を構え、主に中小企業向けにシステム開発を行っています。今回の調査では、中小企業の約6割が一般ユーザー向けシステム開発を外部に依頼しており、その選定や価格設定に関しての失敗経験が多く見受けられました。
適正価格の設定とその課題
調査によると、中小企業がシステム開発の適正価格を設定する際に最も重視しているポイントは「予算との兼ね合い(33.3%)」です。次いで「運用費用や追加費用の明確な提示の有無(23.0%)」が続きました。しかし、実際のところ約4割の担当者が予算設定に失敗した経験があるという結果も浮かび上がりました。
失敗の具体的な原因として「ベンダー間の価格差が大きく、最適な選定ができなかった」が42.5%、「運用後の費用を見落としていた」が30.0%を占めています。これらの問題により、システム開発を依頼する際には、十分な情報と予算設定が求められることが分かります。
ベンダー選定における重点ポイント
システム開発において、ベンダー選定は非常に重要なプロセスです。調査においては、ベンダー選定に際し「技術力と成果物の品質」が52.3%と最も重視されていることが判明しました。その後、提示価格の妥当性や過去の実績と企業の信頼性も重要視されています。
この結果から、企業はシステム開発において単なるコストを越え、技術的な信頼性や信頼できるパートナーの確保がカギだということが明らかになりました。
透明性の確保と予算設定の教訓
システム開発における予算設定の失敗から、約4割が「見積もりの詳細・透明性を重視するようになった」と回答しています。また、「運用コストやリスクを事前に計画するようになった」という意識も高まっていることが確認されました。
これらの教訓は、今後のシステム開発において重要なポイントです。特に初期投資だけでなく、運用や修正費用を含めた全体予算を計画することの重要性が増しています。さらに、パートナーとしてのベンダーに運用後の提案を求める姿勢も強まっています。
まとめ
まとめると、今回の調査は中小企業がシステム開発の予算設定に課題を抱えていることを示しています。適正な価格設定とベンダー選定は、システム開発の成功に直結する重要な要素です。
また、システム開発プロジェクトを成功させるためには、見積もりの透明性を重視し、運用後の提案を行うようなベンダーとの関係を築くことが成功への道です。これからシステム開発に関わる中小企業は、これらのポイントを踏まえた上で取り組むことが求められます。
本調査データの詳細な情報は
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