小中学生が抱える生理の悩み
最近の調査結果によると、小中学生の約80%が生理中に学校で困った経験があると回答しました。これは、ニフティ株式会社が実施した「生理」に関するアンケートから得られたデータです。調査は、花王株式会社の協力を受けて行われ、その結果は2025年10月10日に公開されました。
調査の概要
調査対象は、小中学生を中心とした子どもたちで、3,341件の有効回答が得られました。この中で、61.5%の小学生と92.1%の中学生が「生理がきている」と答えています。
困った経験の詳細
生理中に学校で困ったこととして最も多く挙げられたのは、「ナプキンをかえる時間が取れなかった」ことです。他にも「予定外の日に生理が来てしまった」「生理用品を忘れた」といった声が寄せられています。特に「ナプキンを変える時間がない」というのは、実際的な問題として深刻です。多くの子どもがこのような状況に直面し、している悩みや不安は意外と多岐にわたります。
対処法
困ったときの対処として、最も多くの子どもたちが選んだのは「我慢する」という回答で、51.5%を占めています。これは多くの子どもが周囲に心配をかけたくないと考えていることを示しており、一方で、約30%は「友だちに相談した」や「保健室に行った」と回答しています。
この傾向から見ると、子どもたちが生理の悩みを抱え込んでいる現実がうかがえます。周りに話しやすい相手がいないことが、問題を一層深刻にさせているのかもしれません。
生理用品の持参について
調査では、学校で生理用品をトイレに持っていくことに対する抵抗感も浮き彫りになりました。「とてもそう思う」または「そう思う」と答えた子どもたちは約60%にのぼります。理由としては、「生理だと知られたくない」「男子に見られたくない」などが挙げられました。このことからも、生理に対する恥ずかしさや周囲の目を気にする心情が強く影響していることがわかります。
生理中の集中力の低下
さらに、授業や部活に集中できないと感じる子どもたちも多く、8割以上が「そう思う」と回答しています。特に「モレていないか不安」という気持ちや、身体の不調が影響するようです。生理期間中の身体的な痛みや精神的な不安定さは、学業にも悪影響を及ぼすことが見て取れます。
大人に相談できるか
生理の悩みを先生や周囲の大人に相談できるかについては、できると回答したのは約4割にとどまります。その理由としては、「男性の先生には言いにくい」という声が目立ち、やはり性別の違いが相談のハードルを上げていることが伺えます。
学校トイレにナプキンの設置を望む声
調査結果の最後に、学校のトイレにナプキンが設置されていれば安心できるとの回答が約9割に達しました。生理の悩みを軽減するために、学校側からのさらなる配慮が求められています。
今後の展望
この調査を受けて、生理用品ブランドの花王は、ナプキンの備品化プロジェクト「学校のロリエ」を推進することに注力しています。このプロジェクトは、生理に関する困難を軽くし、学生がより安心して学校生活を送れるようにすることを目指しています。
まとめ
生理についての悩みは小中学生にとって非常に現実的な問題であり、特に学校という環境下では多くの困難が伴います。生理に対する認識を改め、より多くの環境整備と支援が求められる時期に来ていると言えるでしょう。