オーバーツーリズム対策に向けた「旅先クイズ会」
2025年10月25日(土)、「第2回一斉旅先クイズ会」が開催されます。昨年の第一回と同様、今年も山形、東京、京都、広島の4つの都府県が連携し、観光地と旅行者を結ぶマナー啓発の取り組みが進化しました。このイベントは、観光マナーの重要性を楽しく学ぶ機会として、多くの人に注目されています。
「旅先クイズ会」とは?
「旅先クイズ会」は、特設ブースを設け、旅行者にその地域の文化や歴史、マナーをクイズ形式で紹介する体験型イベントです。参加者は短時間で楽しく学ぶことができ、自然に観光地のルールやマナーを身につけることができます。2023年から開催され、北海道から沖縄まで15以上の地域で展開されており、約24,000人が参加しました。特にインバウンドの観光客が9割を超える地域でも好評を得ており、多言語対応を行うことで様々な国の旅行者から支持を受けています。
「ツーリストシップ」というコンセプトに基づき、旅行者一人一人が地域や他の観光客に配慮しながら交流を楽しむ姿勢を育てたいという目標があるのです。
一斉開催の狙い
複数の自治体や観光団体が協力し、同日に一斉に開催することで、観光マナーの発信力を強化します。この手法には大きな意味があります。
1. オーバーツーリズムの解決
オーバーツーリズムは単独の地域では解決できない問題です。観光地への人の流れは複数地域に広がるため、情報や対策を連携し、共有することが不可欠です。
2. 統一メッセージの発信
全国で同じ日を設定することで、「日本全体がこの問題に取り組んでいる」という強いメッセージを旅行者に届けることができます。地域ごとのばらばらな情報発信よりも、同日全国開催はニュース性を増し、旅行者に印象的な印象を与えられます。
3. 自治体間の学び合い
異なる地域でも共通の課題を抱えていることが多いため、成功事例やノウハウを共有し合い、各地の対策を進化させることができるのです。
開催地と時間
以下の地域で、様々なイベントが行われます(北から南の順):
- - 山形県飯豊町: 道の駅いいでめざみの里観光物産館 11:00~15:00
- - 東京都墨田区: すみだ北斎美術館前 11:00~15:30
- - 東京都台東区: 浅草寺 13:00~16:00
- - 京都府京都市: 元離宮二条城 11:00~15:00
- - 京都府京都市: 八坂神社 11:00~15:00
- - 京都府: 嵐山昇龍苑前 17:00~20:00
- - 広島県廿日市市: 宮島桟橋前広場 10:00~15:00
各開催地の取り組み
飯豊町: 環境保全と経済の両立
「白川湖の水没林」として知られるこの町は、夜間の観光促進や駐車協力金を導入し、訪れる人々の体験の質を向上させる努力をしています。
墨田区: 地域との共生
宿泊施設にマナー啓発のツールを配布し、イベントを通じて観光客と地域住民が共に楽しむ環境作りをしています。
京都市: 持続可能な観光
二条城を中心に、観光振興を目指したプロフェッショナル集団が、地域の発展に寄与するための活動を行っています。
廿日市市: 四方よしの理念
観光客だけでなく、地域にも配慮した観光環境の提供を目指し、分散型の観光を提案しています。
まとめ
「旅先クイズ会」は、観光マナーの教育を楽しく行う新しいアプローチとして注目されています。4都府県が連携し、オーバーツーリズム問題に立ち向かう共通の取り組みは、今後の観光業界に良い影響を与えることでしょう。地域の特徴を生かしたマナー啓発活動を通じて、持続可能な観光が実現することへの期待が高まります。