カンロ、米国市場への本格参入に向けた戦略を発表

カンロ株式会社は、7月29日に行われた「2025年度第2四半期決算説明会」において、米国市場への本格的な進出を報告しました。日本のキャンディ市場において高い評価を得ているカンロは、「ピュレグミ」などの製品で知られている企業です。これからの成長戦略として、グローバルな事業展開を進めることが強調されました。

日本のグミ市場のリーダーとして

カンロは、業界トップシェアのキャンディメーカーであり、日本のグミ市場で売上No.1ブランドの「ピュレグミ」を含むさまざまな商品を展開しています。2025年秋には米国市場に本格的に参入する計画で、現地法人「Kanro America Inc.」を2025年5月に設立しました。これにより、米国の消費者にも日本のグミの魅力を届けることを目指しています。

米国のグミ市場は、日本に比べて規模が非常に大きく、2024年の予測によると、米国市場のグミ規模は12,917億円に達する見込みです。それに対して、日本の市場は1,138億円です。このため、カンロは米国市場においても売り上げの拡大を目指しています。

展示会への出展とマーケティング戦略

特に注目されるのが、2025年6月にニューヨークで行われる「Summer Fancy Food Show」に出展したことです。このイベントは東海岸最大級の食品展示会で、29,000人以上の来場者が集まります。カンロはここで「ピュレグミ」や新商品の試食を提供し、多くのバイヤーから高い評価を得ました。特に、甘さと酸味のバランスが絶妙であることやパッケージのデザインが魅力的だと注目されました。

カンロは、米国市場での認知度を高めるために、公式のInstagramアカウントやホームページを立ち上げ、デジタルマーケティングを強化しています。これにより、消費者やバイヤーに対するアプローチを一層深め、ブランドを浸透させる戦略を採っています。

国内市場でも顧客接点を強化

海外市場への進出と並行して、国内での成長戦略も重要視されています。日本のキャンディ市場は競争が激化しており、カンロはその中で“ゆるぎないNo.1ブランド”を目指すとしています。コミュニティサイト「Kanro POCKeT」を通じて顧客との接点を増やし、ファンを増やす施策を展開する意向です。これは、商品自体の魅力だけでなく、ブランドへの愛着を深めることを狙いとしているでしょう。

今後の成長に向けたビジョン

カンロは、1912年の創業以来、さまざまな革新的な商品を生み出してきました。「Sweeten the Future」という企業パーパスの元、未来に向けた取り組みを進めています。2030年に向けた中期経営計画も策定しており、企業の持続的成長を目指しています。これに従い、グローバル市場での地位向上を図ると同時に、国内市場でも顧客との強い結びつきを保つための努力を重ねていくでしょう。

今後のカンロの展開にぜひ注目したいところです。