情報漏えいリスクを予測可能にする日本初の実証研究
株式会社SingleIDは、情報漏えいリスクに関する画期的な研究論文が国際的な査読誌に認められたことを発表しました。この研究は、企業の組織構造が情報漏えいのリスクにどのように影響するかを解析し、その結果を明らかにします。
この研究は、代表取締役CEOの石川貴章氏とCTOの鈴木啓之氏が主導し、法政大学の玄場公規教授と立命館大学の小田哲明教授との共同研究によって実施されました。研究タイトルは「日本企業における情報漏えいリスクの評価:戦略的マネジメントと企業属性の実証分析」です。今回の研究によって、日本企業は自社の情報漏えいリスクを科学的に分析できる新たな手法を得ることができるとされています。
研究の主要ポイント
論文の分析から導き出された重要なポイントは以下のとおりです。
1. 情報漏えいは偶発的なものではなく、企業の組織構造によって予測可能であると指摘されています。
2. 399社のデータを元に、統計モデルを用いてリスクの構造を解明し、R²=0.85という高い精度を引き出しました。
3. 企業が自社のリスクを可視化し、最適な投資判断を行える科学的な基盤を提供しています。
新たな研究の意義
本研究が示す重要な新規性は、「情報漏えいリスクを企業の構造的な特性から説明した日本初の実証研究」といえる点です。東京商工リサーチのデータベースから抽出した399社の情報や、公開情報を基に統合したメールアドレス漏えいのデータに基づき、多変量解析を行いました。その結果、以下の構造的要因が情報漏えいリスクに影響を与えていることがわかりました。
- - 拠点数が多い企業は、漏えい件数が増える傾向。
- - 従業員数に対する拠点密度が高い企業は、漏えい件数が少なくなります。
- - 老舗企業はレガシーシステムに起因したリスクが増加。
- - 従業員1人あたりの漏えい頻度が高い企業は、組織全体が高リスク状態に。
特に「拠点密度と漏えいリスクの関係」を定量的に示した点については従来の研究では見られないもので、サイバーセキュリティと組織設計を結びつける新たな研究領域を切り開いた成果と言えます。
社会的意義
本研究の結果から、企業は自らの情報漏えいリスクを構造レベルで可視化することが可能となります。さらに、対策投資や従業員教育の優先順位を科学的に決定し、経営層・IT部門・現場の各層が共通言語としてデータに基づいた意思決定を行えるようになります。
本研究が示した組織構造とセキュリティの因果関係は、SingleIDが今後開発を進める次世代認証・アクセス基盤の設計思想とも一致しており、研究成果と事業開発が高水準で統合されている点も特徴となるでしょう。
共同研究者のコメント
法政大学大学院の玄場教授は、「本研究は、情報漏えいリスクを企業の組織構造と戦略に結びつけて実証的に示した重要な成果」と評価し、経営戦略とサイバーセキュリティの橋渡しとなり、日本企業の競争力向上に寄与すると述べています。
また、立命館大学大学院の小田教授も、「技術、データ、組織を統合的に捉え、情報漏えいリスクの構造を実証的に可視化した点に高い学術的価値がある」とコメントし、企業にとって有用な示唆を与えると評価しています。
論文情報
SingleIDについて
SingleIDは、使いやすさと高度なセキュリティを提供するクラウドベースの統合ID管理および認証サービスを展開しています。特にネットワーク機器との親和性やシームレスな連携に優れ、セキュリティの強化と運用効率化を実現する機能を備えています。ミッションは「安全でシンプルな認証をすべての組織へ」です,
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