新たな児童養護の一歩
千葉県習志野市で、2023年9月7日に「実籾パークサイドハウス」の起工式が華やかに執り行われました。社会福祉法人福祉楽団が主催となり、設計・施工を手掛けるのは株式会社ツバメアーキテクツと石井工業株式会社です。雨天決行という強い意志で、地域の人々や関係者が集まり、今後の児童養護施設の新しい形について期待が寄せられました。
児童養護施設の必要性
千葉県は児童養護施設の小規模化を推進していますが、現状では社会的養護の必要性が高まる一方で、施設定員は減少傾向にあります。特に、習志野市は交通の利便性が良く、若い世代の流入が進んでいることから、新たな計画地として選定されました。
習志野市周辺には、千葉県立実籾高校や屋敷近隣公園もあり、子どもたちが安心して生活できる環境を提供するための施設整備が急務です。首都圏の一時保護施設では定員オーバーが常態化しており、早急な対策が必要となっています。
コンセプトと設計
新設される「実籾パークサイドハウス」では、児童養護施設を中心に、一時保護施設、短期入所施設、親子生活訓練室、児童家庭支援センター、放課後等デイサービスなどが併設され、包括的な子どもと子育ての支援拠点を目指します。子どもの居住部分は最大6人が1つの家に集まれる設計がされており、家庭的な温かみのある環境を提供しながら、健康的な成長を促進します。
また、施設の利用者が巣立った後も戻れる居場所を提供するため、キャリア支援や伴走支援が計画されています。さらに、同じ敷地内には高齢者向けの認知症対応型共同生活介護や介護サービスが整備され、世代を超えて地域の人々の暮らしを支える福祉の拠点となることが期待されています。
進むOUR KIDS基金
この施設整備のための資金は国庫補助金だけでは不十分で、企業や市民からの寄付を募る「OUR KIDS基金」が創設されました。この基金の成立に際しては、多くの支援者から温かいメッセージや助言が寄せられ、期待が高まっています。「OUR KIDS基金」への寄付は法人税の損金算入が可能となっているため、多くの人々の参加が求められます。この基金は、子どもたちの未来を直接的にサポートする重要な役割を担っています。
こちらの基金の詳細は
OUR KIDS基金の公式サイトで確認できます。
建設計画の詳細
この新しい施設の名称は「実籾パークサイドハウス」で、千葉県習志野市実籾本郷630番地に位置します。敷地面積は6104.73㎡、延床面積は以下の通りです。
- - 児童養護施設居住部分: 1249.70㎡(木造2階建)
- - 事務棟: 904.56㎡(鉄骨造2階建)
- - 高齢者棟: 1363.38㎡(鉄骨造2階建)
そのほか、倉庫やバスケットボールコートも設計されており、地域活性化にも寄与する予定です。工期は2023年9月から2024年8月までとなっており、開設は2024年秋を予定しています。
新しい福祉拠点が地域にどのような影響を与えるのか、期待が高まっています。