図書館向けAIシステム
2025-09-02 12:21:49

日本事務器と京都産業大学が共同で図書館向けAIシステムを研究

日本事務器と京都産業大学の共同研究



日本事務器株式会社(以下、NJC)は、京都産業大学文化学部国際文化学科と、学校図書館向けの遠隔レファレンスに関する共同研究の契約を2025年7月に締結しました。この研究は、2021年から続けている学校図書館支援の取り組みをさらに深化させるものです。AIを使用して「AI学校司書」を実現し、学校司書の不在時でも、児童生徒が主体的に学びを進められるような資料提供を目指しています。

共同研究の背景



学校図書館は主に読書活動を支援する場として機能していますが、実際には児童生徒の能動的な学びや教員の教材研究が十分に行われていないのが現状です。また、司書教諭や学校司書の配置状況は地域により異なり、それに伴う資料の選定や活用についても格差が生じています。

大平教授はこれらの課題を克服するため、各学校の図書館が所蔵している資料が実際にどのように教材として活用されているのかをデータとして蓄積し、データベース化する研究を進めています。この情報を学校間で共有することで、教師たちが資料選択の際に参考にできる基準を構築することを目指しています。

遠隔レファレンスアプリの開発



今回の共同研究では、教員や学校司書が他の教員による資料使用の状況をリアルタイムで確認し、自らの経験を共有できる「遠隔レファレンス」アプリを開発します。このアプリは、タブレットやスマートフォンに実装し、実証試験を実施する予定です。

現在、千葉県千葉市や和歌山県日高川町で、実証研究が進行中であり、BOOK MARRYという記録アプリを通じて、児童生徒や教員が学校図書館の資料についてレビューを共有しています。具体的には、資料の5段階評価や使用者の情報を記録し、授業での活用方法を蓄積しています。

AI学校司書の実現



互いに情報を共有することで、AIが適切な資料を提供できる「AI学校司書」の運用を目指します。AIは、BOOK MARRYに投稿されたレビュー、学校指導要領、教科書データ、各教員が作成した教材データなど、さまざまな情報を読み込み、学校司書が不在の状況でも適切な資料を提案できる仕組みを構築します。

未来の展望



共同研究は2025年度から2027年度までの3年間を予定しており、その中で地域及び科目に特化した「教育現場の集合知+AI」の実現を図ります。NJCでは、2028年度以降、本研究の成果を基に初等教育や中等教育向けの学習支援や読書推進のソリューション開発へと進む予定です。2030年には、高等教育分野の売上を上回る成長を目指して、教育現場への貢献を一層進めていく考えです。

コメント



京都産業大学の大平教授は、「学校図書館は情報提供の場ですが、情報を知識に変えるためには多様な情報を収集し比較することが必要です。調べる学習の経験を増やし、教育機会の均等を促進することで、全ての学校に等しい学びの場を提供したいです」と述べています。

一方、日本事務器の担当者は、「大平教授のアプローチは学校図書館の新たな可能性を開くものであり、AIを用いた『遠隔レファレンス』は図書館のデジタル化に寄与する」と信じています。

終わりに



この共同研究を通じて、児童生徒の学習をサポートし、学校図書館の機能を充実させることで、教育の機会均等が実現されることが期待されています。

会社情報

会社名
日本事務器株式会社
住所
電話番号

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