ADXとSANUが統合
2025-05-19 13:30:16

ADXがシェア別荘サービスSANUと経営統合、建築の新時代を切り開く

ADXとSANUの経営統合がもたらす新たな建築モデル



自然共生をテーマにした木造モジュール建築を展開する株式会社ADXが、シェア別荘サービスで知られる株式会社SANUと経営統合することが発表されました。この統合により、建築の設計から製造、運営に至るまでのプロセスを統合し、より効率的で持続可能な住宅生産体制を構築することを目指しています。

建築業界の現状と課題


日本の建築・住宅業界は、現在、さまざまな課題に直面しています。過去20年で約200万人の建設技能者が減少し、高齢化が進行。また、資材価格が高騰し、労働生産性は主要産業の中でも低い水準にあります。さらに、建設業はCO₂排出量の約3割を占めるとされ、環境負荷が問題視されています。その中で、日本の豊かな森林資源を生かした木造建築の必要性が高まっているのです。

SANUとの連携がもつ意味


ADXは、これまでにもSANUと共に多くの建築プロジェクトに取り組んできたパートナーです。この経営統合により、国産材の活用や地域密着型のものづくりをさらに強化し、独自の環境に配慮したデザインを推進していく考えです。また、2022年にはウッドデザイン賞を受賞するなど、その業績が高く評価されています。

SANU FACTORYの役割


経営統合の一環として、ADXとSANUは新たな生産拠点「SANU FACTORY」を開設します。この工場は、設計から製造、施工までを垂直に統合した新たな生産モデルを体現する場所となります。工場内での工程を効率化するために、BIM設計やロボティクス技術を取り入れ、2028年までに年間300棟の木造モジュールを生産する体制を整備する計画です。

モジュール建築の可能性


モジュール建築は短工期、低コスト、高品質を兼ね備えた建築手法として、全世界で注目されています。世界市場では、この分野が今後数年で約1.1兆円規模に成長すると見込まれています。日本はこの技術において先進国であり、ADXとSANUはその先頭に立って住宅生産の革新に挑戦します。

未来のプロダクト化


SANU FACTORYでは、木造建築を単なるクラフトマンシップとしてではなく、再現性とスケーラビリティを備えた「暮らしのプロダクト」として再設計することに挑戦しています。自動化やデジタル化により、設計から生産までのプロセスを完全に統合し、高品質を保ちながら効率的な生産が可能になります。

デジタル輸出の新たな形


建築を国際的に展開するためには、従来の形では限界があるため、デジタル技術を駆使して「建築のデジタル輸出」に取り組みます。BIMで構築された設計データを海外の工場に送信し、日本と同等の品質を保ちながら、世界中で木造建築を供給する仕組みを整備します。

総括


今回の経営統合により、ADXとSANUは自然と共生する持続可能な建築モデルを追求し、国際的に展開することを見据えています。両社の共同成果が、未来の住宅に求められる新たな価値を創造し、日本の木造建築が再び世界で注目されることを期待しています。

建築の未来を切り開くこの取り組みは、私たちが暮らす環境にどのように貢献するのか、今後の進展が楽しみです。


画像1

画像2

会社情報

会社名
株式会社ADX
住所
福島県二本松市油井字松葉山6
電話番号
0243-22-1298

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。