高松のシンポジウム
2016-09-02 15:20:33

ハンセン病について知識を深めるシンポジウムが高松で開催されました

ハンセン病に関するシンポジウム、高松会場の開催



7月21日、香川県高松市にて「ハンセン病についての親と子のシンポジウム」が開かれました。このイベントは、ハンセン病の正しい理解を促進し、偏見や差別をなくすことを目的としており、小中学生やその保護者が参加しました。

シンポジウムの概要


当日は、ハンセン病回復者による講演、地元の中学生によるパネルディスカッション、映画の上映が行われ、参加者はハンセン病に関する様々な問題について意見を交わしました。司会は、高松市立玉藻中学校の3年生、佐藤碧南さんが務め、スムーズな進行を支援しました。

ハンセン病とは


ハンセン病は、らい菌という細菌によって引き起こされ、手足の指先に麻痺をもたらしたり、皮膚に変形を引き起こすことがあります。しかし、感染力は非常に弱く、適切な治療を受けることで多くのケースは完治します。この理解が広まることは、病気への偏見を減らす一助となります。

基調講演


シンポジウムのメインセッションでは、国立療養所大島青松園の入所者自治会長である森和男さんが、ハンセン病患者に対する歴史的な誤解とその結果としてもたらされた偏見について語りました。彼は特に、「らい予防法」の制定による患者の強制隔離がどれほど不当に扱われてきたかを解説し、今年がこの法律廃止から20年であることを強調しました。今後、療養所は人権問題に関する研修の場として、広く社会に開放されていくことが期待されています。

パネルディスカッション


パネルディスカッションには、香川県内の中学生が参加し、それぞれの観点からハンセン病への理解を深める重要性を訴えました。高松市立玉藻中学校の野中嶺さんは、療養所が重要な学びの場であると述べ、地域に住む自分たちが問題意識を持って行動する必要性を訴えました。また、庵治中学校の西森楓華さんは、自身の体験を通じて、ハンセン病の病理を正しく伝えることの重要性について知らせました。

映画上映とトークショー


シンポジウムでは、ハンセン病に関連した映画「あん」が上映され、参加者たちは作品を通じて深い感動を得ました。トークショーでは、作家のドリアン助川さんが、ハンセン病回復者との交流が自身の作品にどのように影響を与えたかを語りました。樹木希林さんも参加し、偏見が生まれる背景について意見を交換しました。

啓発活動の必要性


森和男さんは、全国でハンセン病療養所の入所者が減少するなか、この問題が風化することのないよう、継続的な啓発活動の重要性を訴えました。新盛英世園長は、身近な人権問題にも目を向けることが求められていると強調しました。

まとめ


今回のシンポジウムは、ハンセン病についての正しい理解を深める貴重な機会であり、参加者は人権についての意識を高めることができました。未来の世代がハンセン病に関する偏見をなくし、一人ひとりの人権が尊重される社会の実現に向けて努めることが必要です。

会社情報

会社名
公益財団法人人権教育啓発推進センター
住所
東京都港区芝大門2-10-12KDX芝大門ビル4F
電話番号
03-5777-1802

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