2025年度高卒就職市場動向:平均給与が初の20万円超え
2025年度の高卒求人の給与が、ついに20万円を突破しました。これは、2026年卒業予定の高校生向けの求人に関する速報値に基づくものです。特に建設業界や大都市圏では高水準の給与が提示されており、昨年度比で平均月給が8,802円増の201,611円と、依然として「超売り手市場」が続いています。
高卒求人票の増加と給与の上昇
就職活動が解禁されたのは2025年7月1日から7月13日までの期間で、全国約220万枚の求人票データから集計されています。これによれば、高校生の69%が「ハンディ進路指導室」を利用しており、このシステムは全国2,177校で導入されています。
職業分類別に見ると、建設業界が平均22.1万円と最も高く、情報・製造業もそれに続き、20万円を超える給与を提示しています。このように高校生の新卒求人は年々その応募条件が改善されていく傾向にあります。
都道府県別・休日数の動向
都道府県別では、東京都が平均21.9万円でトップを維持し、大都市圏では高水準が続いています。全国で47都道府県の平均給与が20万円台に入ったのは特筆すべき点です。
加えて、全体の年間休日数は114.7日と前年比で2日増加し、業種別には情報・通信系が121日で最多を記録しました。建設業界も前年より3日の増加があり、労働環境の労働条件も改善されていることがわかります。
労働市場の整備と企業の対応
ハンディ株式会社の取締役前澤隆一郎氏は、2025年度に向けても「超売り手市場」が続くと述べています。企業側では高卒人材の確保がますます重要視されており、そのため待遇の改善が進められています。初任給の上昇や、労働環境の整備が背景にあるでしょう。
さらに、2024年度から適用される残業時間の上限規制により、労働力の確保は企業にとっての大きな課題となっています。これに伴い、多くの企業が高卒人材の採用強化を進めている状況です。
ハンディ進路指導室の役割
「ハンディ進路指導室」は、高校生向けの求人票管理システムで、企業と学校の間の情報をデジタル化し、求職者に直接求人情報を提供しています。このシステムは高校生が主体的に就職活動を行える環境を提供し、企業側にとってもダイレクトなアプローチが可能となります。
今後もこのシステムが多くの高校に導入されることで、就職市場はさらに活性化することでしょう。2025年7月14日時点で、全国の高校の69%が「ハンディ進路指導室」を利用していることからも、その影響力の大きさが伺えます。
このように、高卒就職市場は確実に改善が進んでいます。学生たちにとっては非常に良い環境が整いつつあることが実感できるデータとなりました。