アフリカ初の農業人材受入、フレディさんの挑戦
近年の日本では、農業分野における労働力不足が深刻な問題となっています。特に、農林水産省のデータによれば、農業従事者の65歳以上が約8割を占め、平均年齢は68歳に達しています。このような現状を受け、YUIME株式会社は特定技能を持つ外国人労働者の受入れを進めています。
日本とアフリカの架け橋として
今年9月、鹿児島県のJapan potato有限会社に初めてアフリカ圏からの農業人材が登場しました。マダガスカル出身のフレディさん(28歳)は、JICAの「マダガスカル外国人材受入パイロット事業」を通じて日本に来ました。フレディさんは、マダガスカルの豊かな農業知識を活かし、日本の農業にも貢献したいと考えています。
「米の消費量は日本の2倍」と言われる彼の故郷からの野菜や果物の生産は多岐にわたります。マダガスカルの農業の発展を見据え、「日本で働くのが夢でした。経験を積み、母国に戻って貢献したい」と流暢な日本語で話す彼の顔は、目が輝いていました。
異文化課題への対応
Japan potatoでは、フレディさんが作業に慣れるためのサポートを行っています。入社から2週間のコメントでは、「他の国々の作業員とコミュニケーションも問題なく、日々の作業を順調にこなしています。異文化に対する不安もありましたが、何も問題はなく良かったと思っています」と非常に高い評価が寄せられました。
フレディさんは、マダガスカル第一号として新たな挑戦の道を開いています。YUIME株式会社の代表取締役、上野耕平氏は、フレディさんを非常に優秀な人材と評価し、「今回の受入れを通じて、アフリカ諸国の方々が日本の農業ノウハウを学び、将来的には帰国後にその経験を生かして母国の農業を発展させる循環システムの構築を目指しています」と語りました。
YUIME株式会社の挑戦
YUIME株式会社は、2013年から日本の一次産業を支援するための人材支援サービスを展開しています。最近では、農畜産物の労働力確保を目的とした短期労働力支援や情報支援サービスなど、多角的なアプローチにより、農業界の課題解決に貢献しています。なお、このマダガスカルからの受入れは独立行政法人国際協力機構(JICA)との連携によって実現しました。
フレディさんが未来の農業を担う重要な存在として成長し、アフリカの農業発展に寄与していくことが期待されています。彼の挑戦は、まさに日本とアフリカを結ぶ架け橋となるでしょう。今後の活躍に目が離せません。