キリンファンドがbitBiome社に出資
キリンホールディングス株式会社は、独立系ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレイン株式会社と共に設立した『KIRIN HEALTH INNOVATION FUND』を通じて、bitBiome株式会社に出資したことを発表しました。この出資は、2024年12月3日付けで行われ、ヘルスサイエンス分野において新たな価値の創出を目指しています。
bitBiome社の技術とその貢献
bitBiome社は早稲田大学発のスタートアップであり、その主なビジョンは環境中の微生物遺伝子を高精度で解析し、産業利用可能な遺伝子を発見・改良することです。彼らは独自の微生物遺伝子データベースを構築しており、このデータを基にAIやロボティクスを活用して有用な微生物遺伝子や酵素を探索しています。これにより、効率的なバイオものづくりが実現されることが期待されています。特筆すべきは、2024年8月に同社が初めて自社製品である酵素のスクリーニングキットを発売したことです。
キリングループの長期ビジョン
キリングループは『キリングループ・ビジョン2027』に基づき、食と医療の領域における価値創造を目指しています。特に、発酵・バイオ技術をベースにしたヘルスサイエンス領域の育成に尽力しており、今回の出資はその一環です。彼らは、持続可能な社会を目指す方向性として、SDGsや脱炭素に貢献する新たなものづくりへの取り組みを強化しています。
CVCファンドの概要
『KIRIN HEALTH INNOVATION FUND』は、ヘルスサイエンス領域に関連する革新的なスタートアップ企業を対象に投資を行っています。このファンドは2020年に設立され、運用総額は50億円で、運用期間は10年間です。最近のbitBiome社への出資もその一環であり、短期的な成果のみならず中長期的な視点での価値創出を目指しているのが特徴です。
未来への展望
キリンは、自然と人を見つめたものづくりを通じて、食と健康の新たな喜びを提供し、より豊かな社会の実現に貢献することを目指しています。bitBiome社との協業が実現することで、ヘルスサイエンス分野における新たな可能性が開かれると同時に、双方の強みを活かしたバイオものづくりが進展することが期待されます。今後も、彼らの取り組みに注目が集まります。
企業情報
設立:2018年11月
事業内容:微生物遺伝子のデータベースを利用したバイオものづくりプラットフォームの提供
URL:
bitBiome社
設立:1907年
事業内容:酒類・飲料事業、医薬事業
このように、キリンホールディングスとbitBiome社の連携は、バイオ業界におけるさらなる革新をもたらし、ヘルスサイエンス領域での成長を加速させるものとなります。