産業DXをリードする自動運転トラック、2024年度に実証実験へ
日本の産業界において、デジタル技術の導入が進む中、2024年度中にレベル4自動運転トラックを利用した実証実験が行われることが発表されました。この実証実験は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の公募「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業」に採択された4社によって推進されます。具体的には、ダイナミックマッププラットフォーム株式会社、BIPROGY株式会社、NEXT Logistics Japan株式会社、ヤマト運輸株式会社の4社がコンソーシアムを組み、自動運転支援に向けたデータ連携システムの開発に取り組みます。
自動運転支援道の整備
本事業では、新東名高速道路の特定区間(駿河湾沼津-浜松SA間)で実施される自動運転トラックの走行実験が計画されています。自動運転が実現することで、物流の効率化、リソースの最適化が期待されています。特に、デジタルライフラインの一環として位置づけられた「自動運転支援道」は、物流業界の新しい基盤を築くものとされています。
取り組みの詳細
4社のコンソーシアムでは、自動運転を支援するためのデータ連携システムの開発を目指しています。ダイナミックマッププラットフォームが開発する“データ流通システム”は、自動運転の運行に必要な各種データの接続を容易にします。また、3次元地図データを活用した“車両情報連携システム”も構築され、安全走行を支援していきます。
BIPROGYでは、シミュレーションを用いてヒヤリハット情報を共有するシステムを開発します。これにより、自動運転車両の安全性を高めるためのシナリオカタログを用意し、運行環境のモデリングが行われます。さらに、NEXT Logistics Japanとヤマト運輸は、共同輸送システムを開発し、輸送需要に基づくデータ連携を実現することを目指しています。
デジタルライフライン全国総合整備計画
デジタル技術を駆使して社会課題を解決し、産業の発展を目指す「デジタルライフライン全国総合整備計画」は、経済産業省が検討している施策の一つです。この計画の中で、自動運転支援道が位置づけられており、共同輸配送や自動運転トラックの活用が求められています。
各社の役割
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社
自動運転の運行に必要なデータ連携システムを開発し、交通情報や3次元地図データを統合し、安全走行を支援します。
BIPROGY株式会社
ヒヤリハット情報をシミュレーション化し、自動運転システムのシナリオカタログを整備。走行環境モデルを開発します。
NEXT Logistics Japan株式会社、ヤマト運輸株式会社
共同輸送システムを開発し、運送事業者のダイヤ計画やルート計画のデータ連携を実現。物流サービスの効率化を推進します。
未来への期待
これらの取り組みは、自動運転技術の商業化に向けた重要なステップです。自動運転のデータ連携が進むことで、従来の物流体系が大きく変化し、効率的で持続可能な社会の実現が期待されます。近い将来、私たちの日常においても、自動運転トラックが当たり前となることでしょう。