新刊情報が到着!
著者 大前粟生による新作小説『物語じゃないただの傷』が、2025年3月21日に株式会社河出書房新社から発売されます。この作品は、社会における男とフェミニズムの複雑な関係を描いた衝撃作です。発表を受けて、脚本家の吉田恵里香さんや芸人の大島育宙さんからも絶賛の声が届いております。
荒廃した社会と男たちの葛藤
物語は、ポリコレ系文化人であり、自らの傷を宣伝する後藤と、社会的に報われない白瀬という二人の男の出会いから始まります。後藤は、自身の立場を利用することでメディアに引っ張りだこですが、そんな彼の元に金も職もない白瀬が、不当にも居候を迫るという緊迫した状況が描かれます。
「男でありながらフェミニストであること」は、現代社会におけるタブーの一つとも言えるでしょう。この小説では、そうした世間の目に惑わされる後藤の姿を通じて、男の性とフェミニズムが交錯する様を鮮烈に描き出しています。
差別の現実、そしてその先に
大前さんは、過去の著作『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』においても、ジェンダー差別に直面する男性の姿を描き、多くの共感を呼びました。今回の『物語じゃないただの傷』では、それを更に一歩進め、差別に対する抵抗すらも消費されるという社会の闇までを捉える試みが行われています。読む者にとっては、非情な現実とそれに対する希望が交錯する作品となるでしょう。
私たちは大前さんが織りなす言葉によって、現代の問題を再考するきっかけを与えられること必至です。
推薦コメントとイベント情報
この作品に対して吉田恵里香さんは、「増幅していく差別と偏見と絶望を受け止めた先に、大前さんは一筋の光を導く」とコメントしており、大島育宙さんは「この物語が届かない時代なら、もう本当に手遅れだ」と警鐘を鳴らしています。これらのコメントからも、本作の重要性が垣間見えます。
さらに、刊行を記念したトークイベントも予定されています。「大前粟生×吉田恵里香『物語じゃないただの傷』刊行記念トークイベント」が2025年5月以降に開催予定です。詳細については後日告知されるとのことです。
書籍情報
- - 書名: 物語じゃないただの傷
- - 著者: 大前粟生
- - 仕様: 46判上製/144ページ
- - 装丁: 川名潤
- - 発売日: 2025年3月21日
- - 税込定価: 1,892円(本体1,720円)
- - ISBN: 978-4-309-03950-3
- - リンク: 河出書房新社
この機会に、ぜひ手に取って読んでみてはいかがでしょうか。