ダイヘン、次世代金属積層造形技術WAAMに参入
ダイヘンは新たに金属3Dプリンティング技術である「WAAM」(ワイヤ・アーク・アディティブ・マニュファクチャリング)事業に参入することを発表しました。この技術は、アーク溶接を用いて金属ワイヤを積層するもので、船舶や航空機、建設機械など、多岐にわたる大型構造物の製造に活用されます。
WAAM事業参入の背景
製造業界は現在、グローバル化に伴うサプライチェーンの複雑化や、気候変動対策としての環境規制の強化、さらには労働力不足といった数々の課題に直面しています。このような背景から、従来の鋳造や切削加工に代わる革新的な製造手法が求められています。特に、金属3Dプリンティングは金型製作が不要で、材料ロスも少なく設計自由度が高いことから注目されています。
現在普及している「PBF」(パウダー・ベッド・フュージョン)方式は、金属粉末を使用するためコストが高く、大型構造物の造形には適していないという課題があります。これに対し、WAAMは高い造形速度とコスト効率により、特に大型金属部品の製造には適した手法として期待されています。
ArcBuilder 3Dの開発
ダイヘンは、独自のアーク溶接技術と高精度ロボット制御技術を融合させた国内初の金属積層造形システム「ArcBuilder 3D」を開発しました。このシステムは、従来の溶接の比でも24%の造形能率を向上させることが可能です。さらに、材料に応じて最適な溶接波形を用いることで、様々な金属素材への適用も実現しました。また、専用ソフトウェアにより、複雑な形状のプログラミングも容易に行える仕組みとなっています。
受託造形サービスの導入
新たに提供される「受託造形サービス」では、顧客が希望する部品の3Dデータを基に、試作品の造形を請け負います。ダイヘンの専属技術サービス員が、相談から製造、納品までを一貫してサポートし、よりスムーズな納品を実現します。
市場展望と販売計画
ダイヘンは、このWAAM事業を通じて国内市場の開拓を進めるとともに、将来的には欧米市場への進出も計画しています。2030年までに、この分野での売上高を100億円まで引き上げることを目指しています。
今後の見通し
金属3Dプリンティング技術の市場は、今後急速に拡大すると予測されています。2030年にはその市場規模が6.8兆円に達する見込みです。ダイヘンは、この市場において革新をもたらすキープレイヤーとして、さらなる技術向上を目指しています。
このように、ダイヘンは新しい溶接技術を駆使して、効率的で信頼性の高い製造ソリューションを提供し続けることで、製造業の未来を切り開くことに貢献していくことでしょう。