壊すか活かすか。900万戸の空き家問題に立ち向かう

最近、日本各地で空き家の問題が顕在化しています。総務省の調査によれば、全国の空き家数は過去最多の900万戸に達し、住宅全体の約14%を占める状況です。この現象は、特に相続などにより個人の資産として受け継がれた家屋が適切に活用されないことで加速しています。

空き家が抱える問題

探るべきは、放置される空き家が地域社会や経済に与える影響です。放置された住居は老朽化し、景観や安全性を損なうだけでなく、資産価値の低下や周囲の不動産価値にも悪影響を及ぼします。具体的には、空き家周辺の住宅価値が平均で3%低下するとされ、地域全体の経済にもマイナスの影響が出るのです。

また、空き家が劣化・破損してしまうと、その修繕費用は所有者に重くのしかかります。さらに、相続や売却の際に誰が責任を取るのかといった問題が浮上し、家族間でのトラブルの原因にもなりかねません。

大希企画株式会社の挑戦

こうした現状を改善すべく、東京・神奈川を中心に活動する大希企画株式会社が、地域資産の適切な管理と活用に向けた取り組みを進めています。代表の宮川大輝氏は「空き家は地域にとっての資産である」とし、放置を続けることのリスクを強調します。

例えば、大希企画では空き家のリフォームや販売、貸出など、早急な管理に向けたサポートを行っています。現場の声によれば、家族間での話し合いを進めることが解決への第一歩となることが多いそうです。特に「進行役」を決めることで、空き家に関する意思決定がスムーズになるとのことです。

具体的な成功例

実際に、大希企画が手がけた事例を見てみましょう。ある家庭では、亡き父の所有していた空き家が相続によって放置され、管理の難しさから困っていました。しかし、大希企画の協力により、家族は空き家をまとめて売却することができ、経済的な負担を軽減することに成功しました。

別の事例では、使われない予定であった空き家が、地域のコミュニティハウスとして再生され、若者たちの集まる場となりました。このように、適切な管理と活用によって、空き家が地域資産として再評価される可能性があります。