イニシャル・ポイントが資金調達、次世代セキュリティサービスの実現へ

イニシャル・ポイント、次世代本人認証技術の資金調達を発表

イニシャル・ポイント株式会社が1.2億円の資金を調達したというニュースが、セキュリティ業界に波紋を呼んでいます。これは、ゼロトラスト型のセキュリティ・サービスの実現を目指しており、新たに開発した「JinCreek for VPN＋」という多系統VPN接続を用いた検疫型多要素認証サービスを2023年1月を目処に提供開始することを計画しています。

資金調達の背景と目的

この資金調達は、モバイル・インターネットキャピタル株式会社が運営するMICイノベーション5号ファンドからの支援によるもの。イニシャル・ポイントは、これまでSIM閉域網にフォーカスしていたセキュリティ技術を、インターネットVPN接続の脆弱性問題に対応すべく拡張することを目指しています。現在、多くの企業がVPN利用時のセキュリティリスクに悩んでおり、その解決策が求められています。

「JinCreek for VPN＋」の特長

「JinCreek for VPN＋」は、これまでの不正アクセスを招きやすいIDとパスワードの使用から脱却した、より安全な接続方法を提供します。特に、以下の2つのポイントが挙げられます。

1. 高い安全性の実現：業務端末側での本人認証に高い安全性を持たせ、VPN接続時にさらに強化された認証を行うことで、企業の内部情報を厳重に守ります。

2. ハッキングへの強靭さ：企業のVPN装置と連携し、ワンタイムパスワード機能を持たせることにより、万が一パスワードが流出しても不正アクセスを防ぐ仕組みが構築されています。

大企業への拡大だけでなく、中小企業のためにも

今回の資金調達を通じて、イニシャル・ポイントは大企業だけでなく、中小企業への導入も視野に入れています。インターネットVPN接続はすでに多くの中小企業でも使用されており、そのセキュリティ強化が急務となっています。多様なネットワーク環境に対応したプラットフォーム型の多要素認証技術により、企業はより迅速に安全性を確保できるようになるでしょう。

企業としてのビジョン

イニシャル・ポイントは2020年に設立され、通信業界や社会インフラの認証システム開発の知見を持つチームによって運営されています。彼らは「ゼロトラスト型のネットワーク社会の実現」というビジョンを掲げ、リモートワーク環境や高齢化社会の問題にも寄与することを目指しています。特に、在宅勤務といった新たな働き方の中で、安全で安心な情報利用が求められる中、リーダーシップを発揮しています。