MR技術を活用した介護現場での新しい癒し「いつでもワンちゃん」の誕生

新しいアプローチで介護現場を支援する「いつでもワンちゃん」

近年、介護現場においては人手不足や衛生管理の問題が深刻な課題となっています。それに対処する形で、レメディ・アンド・カンパニー株式会社が開発した「いつでもワンちゃん」は、国内初となるMR（複合現実）アニマルセラピーとして注目されています。特に、公益財団法人テクノエイド協会の福祉用具情報システム（TAIS）に正式登録されたことで、その信頼性と導入の容易さがさらに高まっています。

「いつでもワンちゃん」の特徴

「いつでもワンちゃん」は、VRゴーグルを装着することで、音声やハンドサインに応じて反応するバーチャル犬と触れ合う体験を提供します。年齢や身体的条件に関わらず、誰でも安心して楽しめるように設計されており、実際の動物に近い感覚を提供しています。

シンプルで安全な設計

特に注目されるのは、そのシンプルさです。VRゴーグルを通じて現実の環境も視認できるため、利用者が周囲の人や障害物に気を配りながら体験でき、転倒や接触のリスクを軽減します。この点は、特に高齢者に優しい設計となっており、施設側も導入しやすいと言えるでしょう。

導入の現状と評価

「いつでもワンちゃん」は発売から約1年の間に、全国で40か所の介護施設や医療機関で活用されています。体験した利用者からは「昔の犬に会えた気持ちになれた」「思わず手を伸ばしてしまった」といった喜びの声が届いています。また、施設の職員からは「従来のレクリエーションよりも少人数のスタッフで運営できる」との声もあり、業務の省人化にも貢献しています。

今後の展望

TAISへの登録を糧に、さらなる普及を目指している「いつでもワンちゃん」。このシステムを通じて、福祉・介護現場に新しい価値をもたらし、利用者が笑顔になる瞬間を創出することが目標です。レメディ・アンド・カンパニーは、医療・福祉の課題解決に向けた取り組みを続けており、このプロジェクトがさらなる成功につながることを期待しています。