クラフトビール業界に新たな風が吹く
昨今の飲食業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が、ビール業界にも押し寄せています。その中でも特に注目を集めているのが、クラフトビールスタートアップのBest Beer Japanです。今回、彼らはシードラウンドで7,000万円の資金を調達し、更なる成長を目指しています。
Best Beer Japanは、クラフトビール醸造所に向けたITツールと物流サービスを提供し、業界の業務効率化を進めています。代表取締役のピーター・ローゼンバーグ氏は、「これまでほとんどIT化されていなかったお酒業界が、コロナの影響を受けて一気にDXを進めています」と語っており、自社がその変革を支えている自負があります。
醸造所の業務負担を軽減する
ローゼンバーグ氏によると、これまで醸造所の業務は紙やエクセルで管理されており、一つの注文を処理するのに14分もの時間を要することも珍しくありませんでした。さらに、酒税や衛生面に関わる法律も多く、バックオフィス業務の負担は非常に大きいのです。「酒税を目的に醸造所を立ち上げるブルワーはいません。私たちのミッションは、ビール作りに集中できる環境を整えることです」と述べています。
クラフトビールプラットフォームへの挑戦
今後、クラフトビール市場は2026年に向けて約1250億円に拡大すると予測されていますが、現在は醸造所と店舗との間に中間流通が存在せず、双方にとって非効率的な状況が続いています。Best Beer Japanは、醸造所の業務を自動化するERPソフトを提供し、物流コストを半減できるシェアリングシステム「レン樽」を導入しています。
更に、彼らは新たなサービスとして、複数の醸造所からまとめて購入できる業務店専用のクラフトビールプラットフォームの提供を開始します。すでに事前登録が行われており、今後の展開に期待が寄せられています。
投資家からの確信
資金調達に参加したHeadline Asiaの川村達也氏は、「ビールはただのアルコールではなく、クラフトというスタイルへと進化している過渡期において、Best Beer Japanの持つビジョンに直感的に共感しました」とコメントしています。これにより、さらなる成長が期待されるでしょう。
若き企業の未来
現在、Best Beer Japanはエンジニア、営業、カスタマーサクセスのメンバーを募集中です。若い企業で、今ジョインすればビールと株を受け取るチャンスも。新型コロナウイルスがもたらした影響で「乾杯」という言葉が日常から消えつつありますが、ビール業界の進化はとどまることがありません。今後、Best Beer Japanがどのように業界を牽引していくのか、目が離せません。
資金調達に参加した投資家
- - Headline Asia - LaunchPad Fund投資事業有限責任組合
- - PE&HR株式会社 - Social Entrepreneur3投資事業有限責任組合
- - 事業創造キャピタル株式会社 - NBCエンジェルファンド2号投資事業有限責任組合
- - 南 章行 (ココナラ代表取締役会長)
- - 小林 泰平 (Sun* CEO)
- - 株式会社オリザリア
- - デジタルハリウッド大学
- - 森本 千賀子
- - 曽我 健
- - 個人投資家
今後のBest Beer Japanの動向に、引き続き注目していきたいと思います。