本書の魅力とユニバーサルデザインの重要性
◆ 背景にある想い
児童書『みんなの「読める」をデザインしたいわたしは書体デザイナー』が2025年11月13日に発売される。この本は、書体デザイナー高田裕美さんの初めての児童向け作品で、ユニバーサルデザインの理念を根底に据えた文字のデザインについて語っている。高田さんは、「だれもとりのこさない、ユニバーサルデザインの書体を作り続けたい」という強い想いを持ち、8年の歳月をかけて「UDデジタル教科書体」を完成させた。子どもたちが学校で使う教科書や教材、日常生活で目にする書体の大切さを教えてくれる。
◆ UDデジタル教科書体の誕生
「UDデジタル教科書体」は、弱視の方々のニーズを耳にして開発された書体だ。目の不自由さを少しでも和らげるために、視覚的にやさしい書体を模索する試行錯誤の中で、多くの当事者の意見を取り入れ、改善を重ねてきた。こうした努力の成果として生まれたこの書体は、一般の児童にとっても読みやすく、幅広いシーンで活用されている。
◆ 本書の内容
本書は、書体に興味を持つ子どもたちに向けて、楽しいカラーページでスタートし、書体の基礎知識を易しく説明している。さらに、ユニバーサルデザインという概念がどれほど重要であるかを高田さん自身の言葉を通じて示している。
1.
書体とは何か?
書体の基本的な理解を助けるため、身の回りの書体に対する興味を引き出す内容が展開されている。
2.
ユニバーサルデザインの重要性
社会の多様性を尊重するために、ユニバーサルデザインが必要とされる理由が描かれている。
3.
書体デザイナーの役割
書体デザインの中でどのように人々の生活をより良くするかを探求している。
4.
実際にUDデジタル教科書体を作り上げる過程
制作の裏側や過程を、実際のエピソードを交えて分かりやすく紹介している。
5.
UDフォントの使用促進
誰もが読みやすい環境を作るための取り組みが解説されている。
6.
未来への期待
今後も「読める」を支え続けるための視点が示されている。
◆ 子どもたちへのメッセージ
高田さんは、本書を通して、子どもたちが自分自身や他人の違いを理解し、個性を大切にするためのヒントを提供している。また、「ユニバーサルデザイン」の考え方が、より良い未来へ向かう手助けとなることを願っている。著者の言葉を読むことで、子どもたちが自信を持つきっかけになると同時に、周囲の人々を受け入れる心の広さを育むことが期待されている。
◆ 絵本としての楽しさ
本書には、書体の基礎やユニバーサルデザインについての知識が盛り込まれているだけでなく、子どもたちの好奇心をくすぐるビジュアルやコラムも充実。デザイナーを目指す子どもたちにとっては、興味を広げるきっかけとなること間違いなしだ。
結び
学びの道具である書体が、いかに大切であるかを教えてくれる本書は、子どもたちだけでなく大人にも価値のある一冊。ユニバーサルデザインの世界を高田裕美さんが優しく導いてくれるこの作品を、ぜひ手に取ってみてほしい。書体の力を感じながら、誰もが安心して読める環境が広がる未来を考えるきっかけにもなるだろう。