JR駅で不要品の資源循環を促進する実証実験が始動

JR駅での資源循環サービス「PASSTO」実証実験の概要

現在、JR東日本において、空きスペース活用の新たな試みが始まります。この取り組みは、循環型社会の実現を目指す株式会社ECOMMITとJR東日本スタートアップ株式会社が手を組んで進められています。ECOMMITは、資源循環をテーマに不要品を回収し、再流通させるサービス「PASSTO」を運営しています。

「PASSTO」とは何か？

「PASSTO」とは、使用しなくなったものを次の人につなげるための回収サービスです。この名称は「PASS TO」の縮約形で、次世代に資源を渡すという意味を持ちます。ECOMMITの取り組みによって、街のあらゆる場所で不要品を集め、再活用やリサイクルの道筋をつけることが可能になります。特にこのサービスでは、リユース・リサイクルの成功率が約98%に達しており、他の処理方法に比べてCO2排出量の削減にも寄与しています。

実証実験の目的

ECOMMITが選出された「STARTUP ON DEMAND#２」企画は、JR東日本グループ内のさまざまな課題を解決するために、スタートアップ企業と連携するものです。今回の実証実験では、駅の空きスペースを利用して不要品を収集し、地域社会の資源循環の拠点として機能することを目指しています。

この試験運用は、2025年4月に開始されるJR八王子駅での実証事業にも関連しています。ここでは、JRの窓口内に回収ボックス「PASSTO」とAIカメラ「ai cast」が設置され、ユーザーの行動データを解析し、分かりやすく地域社会に発信するシステムが構築されています。

ECOMMITとJR東日本の連携

ECOMMITの代表取締役である川野輝之氏は、「捨てない社会をかなえる」との理念を掲げています。社の循環センターでは、不要品の回収や選別、再流通が行われており、持続可能な社会の実現に努めています。これに対し、JR東日本スタートアップは技術面での支援や資源循環に向けた取り組みを続けています。

今回のアイディアの実施により、不要品を単なる廃棄物として扱うのではなく、地域のリソースとして再活用していくことが期待されています。これにより、駅が地域の資源循環の中心地となることを目指しています。

今後の展望

ECOMMITとJR東日本は、今回の実証実験を通じて得たデータや経験を活かし、さらに多くの駅でのサービス展開を視野に入れています。実験の成功は、今後の日本全国での資源循環サービスの普及につながる可能性があり、持続可能な社会の実現に向けた第一歩と言えるでしょう。

ECOMMITとJR東日本スタートアップが推進する「PASSTO」は、地域の資源を有効活用し、次世代に繋げる重要なサービスとして、今後ますます注目を集めることでしょう。