在宅勤務における生産性と生活スタイルの変化
2021年3月1日に行われた全国規模の調査では、在宅勤務を実施している正社員300人を対象に生産性と生活スタイルの変化を探る内容が明らかになりました。この調査では在宅勤務の影響を受けたさまざまな側面が浮き彫りになっており、特に業務中のYouTube視聴や副業の実施に関する結果が印象的です。
在宅勤務による生産性の認識
調査の結果、在宅勤務へ移行したことで業務の生産性が「下がった」と感じている人は27.33%、逆に「上がった」と感じている人は12.33%、そして「変わらない」との回答は60.33%でした。このデータからは、約3割の人が在宅勤務による生産性の低下を感じている一方で、約6割が仕事の生産性に変化はないと認識していることが示されます。
ここにはいくつかの要因が考えられます。特に急に在宅勤務に切り替わった人々の中には、長年のオフィス勤務スタイルからの急な移行にストレスを感じている人もいるかもしれません。また、業務以外の気分転換が必要な方も少なくないようです。
業務中のYouTube利用
調査の中で興味深いのは、在宅勤務中に副業や業務以外のことをしたことがあるかという質問です。この結果、46.7%の人が「業務以外のことはしていない」と回答しましたが、それに対して20.7%の人がYouTubeなどの動画を閲覧していると答えています。つまり、半数以上が勤務中に何か他の活動をしているという状況が伺えます。これはオフィス出社時とは異なる勤務状況であることを反映しています。
YouTubeなどの動画は、視覚に訴えかける要素があり、エンタメコンテンツを気軽に楽しめることから、業務の合間に流し見をする人が多いのではないでしょうか。この「ながら作業」がどれほどの影響を業務に与えているのか、今後の研究も期待されます。
副業の実施状況
また、副業については全体の24%が在宅勤務中に自社以外の業務を経験したと回答しています。副業が許可されている環境では、業務時間中でも隠れて副業をしているケースがあるようです。しかし、残りの75%は本業に専念しているとの回答で、真面目に仕事に取り組む姿勢が見受けられます。
子育て世帯の影響
さらに注目すべきは、在宅勤務における生産性の変化が、子育てをしている世帯において特に顕著であるという点です。調査結果によると、子どもがいる人の36.5%が生産性が低下したと感じているのに対し、子どもがいない人の割合は23%でした。これは、家庭での育児環境が在宅勤務の生産性に大きく影響していることを示唆しています。
今後の展望
今回の調査からは、在宅勤務が定着する中で生産性や業務の進め方に変化があることが確認されました。新型コロナウイルスの影響が薄れても、テレワークは今後も働き方の一つとして残るでしょう。これからの企業は、在宅勤務の利点を活かしながら、情報の効率的な共有や管理体制の強化を進めることが求められています。
このように、生産性の変化や業務中の余暇の使い方、副業の実態についての理解を深めることは、今後の働き方を考える上で重要です。
詳しい調査データについては、
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