MUJI room の新しい試み
無印良品を展開する良品計画が、宿泊事業の新プロジェクト「MUJI room」を発表しました。この新しい取り組みは、無印良品のデザイン哲学を感じられる空間を、地域の既存の宿泊施設の中に設けるというユニークなものです。これにより、旅行者は無印良品の世界観を体感できるだけでなく、地域の文化や特性を融合させた体験を享受できます。
宿泊事業の新たなコンセプト
良品計画は「感じ良い暮らしと社会」の実現を目指し、地域社会とのつながりを重視しています。その一環として「MUJI STAY」という宿泊事業を展開しており、これは「地域に溶け込むもうひとつのくらし」をテーマにしています。これまで、無印良品は地域文化を体感できる「MUJI HOTEL」や地域の遊休資産を活用した「MUJI BASE」、自然を楽しむ「MUJI Camp」などを提供してきました。
しかし「MUJI room」はこれらとは異なり、地域の既存宿泊施設を活用することで、宿泊客に無印良品の暮らし方をより身近に体験してもらうことを目指します。
地域との共生を重視
日本国内では、インバウンド需要が高まる一方で、旅行スタイルの変化によって多くの宿泊施設が苦境に立たされています。良品計画は、空室を抱える宿泊事業者の支援を行いながら、新たな収益機会を提供する「地域共生型」スキームを導入します。この手法では、良品計画が初期投資や集客、予約管理を担うことで、コストを抑えて宿泊スペースを有効活用できるようサポートします。
受託型モデル
さらに、良品計画は受託型モデルも提供しており、宿泊事業者からの依頼で空間デザインやサービスを提供します。これにより、宿泊者は無印良品の魅力を活かした新しい滞在体験を楽しむことができます。
MUJI room LIBER HOTELの詳細
「MUJI room」の第一弾として、大阪市の「リーベルホテル大阪」内に「MUJI room LIBER HOTEL」が12月1日(日)にオープンします。この施設には、無印良品の設計哲学を反映した4タイプの客室が各3室ずつ、合計12室用意されています。
- - type A: シンプルで快適な木を基調とした室内。心身を整えるための工夫が凝らされています。
- - type B: 土の手触りを感じるタイルを使用した部屋で、寝室とリビングを分ける棚には民藝・工芸品が飾られています。
- - type C: 最大4名用のバンクベッド付き部屋。リビングと寝室がつながり、楽しさと居心地の良さが共存しています。
- - type D: 最大6名が宿泊可能な広々としたリビングを備えた部屋。大きなソファやデイベッドにより、ゆったりとした滞在が可能です。
全てのタイプで無印良品のアメニティや寝具が使用され、宿泊者は充実した滞在を楽しめます。
予約開始と今後の展開
宿泊予約は、2023年9月5日から開始されており、今後の展開に期待が寄せられています。また、2025年2月には奈良県吉野町の「坂本屋」に「MUJI room SAKAMOTOYA」がオープン予定で、地域文化を体験できる特別なプランも用意される予定です。
良品計画は、地域の活性化と共生を重視した新たな試みを通じて「感じ良い暮らし」と「社会」を実現し続けます。