岡山大学が新たな視点をもたらす夏季集中講義を開催

岡山大学が実施する夏季集中講義

国立大学法人岡山大学は、2025年9月17日から19日にかけて、夏季集中教育科目「”アタリマエ”の科学－スマホに映る半導体と社会－」を開催しました。この講義は2回目となり、様々な学部から1〜3年生の学生15名が参加し、文系と理系を問わず幅広い分野における知識を深めました。

講義の目的と内容

この講義の目的は、参加者にスマートフォンを通して「アタリマエ」を疑う姿勢を育むことで、科学的かつ論理的な思考力を養うことです。今回の授業では、実習や工場見学を通じて学生たちは主体的に学びを進めました。

初日には株式会社アドバンテストの永島靖氏がゲスト講師として登壇し、スマートフォンの構造を解剖する実習が行われました。参加した学生たちは、普段触れることのない電子部品に直接触れる機会を得て、その精巧さや内部構造に込められたさまざまな技術について新たな発見をしました。

工場見学とワークショップ

2日目にはシャープ福山レーザー株式会社のクリーンルームを見学しました。ここでは、半導体の製造現場を目の当たりにし、実際の課題を発見・解決するためのワークショップも実施されました。最終日には、各グループが成果をまとめたプレゼンテーションを行い、参加者全員がそれぞれの意見をシェアする場となりました。

学生たちの感想

学生たちからは、「今まで漠然と『すごいもの』と思っていた半導体が、生活に直結する重要なものであると認識が変わった」との声が寄せられました。また、「発表が苦手だったが、他の学生のプレゼンを聞くことで新たなアイデアを得られた」といった感想も多く、異なる学年の仲間や社会人との交流が、彼らの学びを深める貴重な経験となったようです。

企業の反応と未来への期待

受け入れ企業であるシャープ福山レーザー株式会社からも、学生のプレゼンテーションに対し高い評価が寄せられました。特に、参加者による独創的な提案や深い共感を示した発表が印象に残ったとのことです。このように、学生の真摯な姿勢が企業の担当者に伝わったようです。

また、この夏季集中講義は、文理融合の産学連携の取り組みとして、中国経済産業局からも注目されています。同局の支援を受け、今後も地域社会や産業界との連携を強化し、社会課題解決に向けて貢献できる人材の育成を進めていく方針を示しています。

今後、岡山大学が展開するこのような取り組みには、更なる期待が寄せられています。地域の中核を成す特色ある研究大学として、岡山大学が果たす役割に注目が集まっています。