ファミリーマートの広告戦略が進化
2025年5月、ファミリーマート(以下、ファミマ)のデジタルサイネージ「FamilyMart Vision」とテレビCMの連動による新たな広告手法が実施され、その効果が明らかになりました。株式会社ゲート・ワンとデータ・ワンの共同によるこの取り組みは、広告市場での重要な指標である「ブランドリフト」を測定し、リーチの拡大だけでなくブランド認知度の向上にも寄与することを目的としています。
ブランドリフトサーベイの実施
ファミマの店舗内に設置された「FamilyMart Vision」は全国約10,400店舗で利用可能で、週に6000万人以上の客にリーチします。この膨大なデータをバックアップに、広告視聴者の購買データやテレビ視聴データを統合し、サーベイが行われました。
特に注目されたのは、テレビCMとFamilyMart Visionの両方に接触した視聴者が、単体接触者と比較してブランドリフトが大幅に向上する点です。実際、就職意向において「働いてみたい」という意欲がこの接触者に強く表れるとの結果が出ました。ここから、両者の統合による広告効果のシナジーが浮き彫りになりました。
クロスメディアによる効果拡大
今回の実証実験では、伊藤忠商事が展開する企業ブランディング広告にあたるテレビCMが、FamilyMart Visionで同時に放映されました。この組み合わせによるリーチ検証では、テレビCMのみで42.5%の接触率に対し、FamilyMart Visionを併用した場合は18.7%という結果が得られ、特に若年層において顕著な効果が見受けられました。
ピックアップされたポイントは、FamilyMart Visionが設置されているファミリーマートが、テレビメディアでは届きづらい若年層へのアプローチに有効であることです。これにより、デジタルサイネージが持つ広告の可能性が再評価される結果となりました。
まとめ
すべての調査結果が示しているのは、ブランド浸透を高めるためには、シームレスなメディアの連携が不可欠であるということです。ファミリーマートの「FamilyMart Vision」は、デジタル第四次の波に乗り、広告主のマーケティング活動を強力にサポートする新たなプラットフォームとして進化しています。今後もこの取り組みを通じ、広告活動のさらなる効率化と成果の最大化が期待されるでしょう。
今後に向けて
データ・ワンとゲート・ワンは、各社のデータをさらに活用した新しい広告サービスも模索しています。デジタル広告がますます多様化する中、どのようにリーチの拡大と認知度向上を図っていくのか、今後の動向にも注目が集まります。