KADOKAWAがイタリアのEdizioni BDを子会社化、グローバル戦略に新たな一歩

KADOKAWAがイタリアのEdizioni BDを子会社化

株式会社KADOKAWAは、2025年5月14日にイタリアのマンガ・ライトノベル出版社Edizioni BD S.r.l.を子会社化することを発表しました。本件は、グローバルなメディア展開を目指すKADOKAWAにとって、重要なステップと位置づけられています。KADOKAWAの代表取締役CEO、夏野剛氏は、この合意を非常に喜ばしく思っており、今後の共同展開に大きな期待を寄せています。

背景と目的

KADOKAWAグループは、世界中でのIP（知的財産）の創出と展開を目的とした「グローバル・メディアミックス with Technology」を戦略として掲げており、特に欧州市場への進出を強化しています。Edizioni BDは、2005年に設立されイタリア・ミラノで活動しており、最新のマンガ・ライトノベルのイタリア語翻訳を手掛けています。年間500点近くの書籍を刊行し、日本コンテンツに熱心な読者層を持つ同社の影響力は非常に大きいものです。

これまでのところ、Edizioni BDはイタリア市場において、日本マンガの普及の先駆けとも言える役割を果たしてきました。特に、現地の一般書店と連携しマンガ流通網を形成したことや、カバーや帯など洗練された装丁を施したことで、日本風の出版スタイルをイタリアに根付かせることに成功しました。これにより、イタリア内でのマンガ人気が高まり、ヨーロッパではフランスに次ぐ規模の市場が形成された背景があります。

未来に向けて

KADOKAWAは、Edizioni BDを通じて、日本のマンガやライトノベルの翻訳出版をさらに強化していく方針です。また、イタリアだけでなく、フランスなどの他の地域の拠点とも連携し、欧州全体におけるレパートリーの拡大を図る考えです。これにより、KADOKAWAの作品だけでなく、幅広いジャンルのコンテンツがさらなる市場に広がることが期待されています。

KADOKAWAの夏野社長も「Edizioni BDは過去20年間、イタリアのマンガ市場に多大な貢献をしてきた。これを契機に、さらなる市場拡大に向けたパートナーシップを強固にしていきたい」とコメントしています。

エディツィオーニBDのメッセージ

Edizioni BDのCEO、Marco Schiavone氏は、「日本のエンターテインメント大手から直接投資を受けることができるというのは、非常に素晴らしい体験です。私たちの使命は、日本と読者をつなぐことです。KADOKAWAというパートナーのおかげで、我々の活動が一層発展するでしょう」と述べており、日本市場との架け橋としての役割に期待を寄せています。

この新事業の展開により、イタリア市場における日本文化のさらなる普及が見込まれており、両社の今後の動向にも注目が集まります。KADOKAWAのグローバルなビジョンが具体的な成果を上げることで、日本コンテンツのさらなる国際化が加速することが期待されます。