キンドリル、日本初のAIプライベートクラウドサービス開始
キンドリルジャパン株式会社が、AI技術の活用を加速させるために日本で「キンドリルAIプライベートクラウドサービス」の提供を開始しました。これは、企業がAIを組織に導入する際の支援を目的とした新しいサービスです。その第一弾として提供されるのが「プライベート AI 基盤PoC 支援サービス」です。これは、技術的な自立性を重視しつつ、企業が本格的にAIを導入できるようサポートするものです。
新たなサービスは、Dell AI FactoryとNVIDIAの技術を基盤とした、専用のAIプライベートクラウド環境において運用されます。この環境では、PoC(概念実証)や大規模言語モデル(LLM)のチューニングを行うことができます。シングルテナントのオンプレミス環境と、キンドリルの専門知識が融合しているため、企業はデータの主権やセキュリティ、プライバシーを保ちながら、AI戦略を推進することができます。
キンドリルは、その豊富なハイブリッドIT環境における専門知識を生かして、通常のパブリッククラウド環境では実現できないような機密性の高い研究開発や顧客データの安全な利用を支援します。これにより、企業はより高度な予測や推論を可能にし、業界固有のニーズや企業戦略にフィットするモデルを構築できます。
サービスの提供に先立ち、キンドリルは製造業および自動車業界向けに同プラットフォーム上でPoCを実施しました。このプロジェクトでは、製品に対するユーザーのフィードバックを元に、顧客感情を解析する生成AIアプリケーションを開発・テスト・検証しました。使用されたのは、NVIDIAのLlama 3.1 8B-Instruct NIMであり、高速で拡張性のある生成AIによる推論処理を実現しています。
キンドリルジャパンの代表取締役社長であるジョナサン・イングラムは、「Kyndryl Consultを通じて、お客様は業界に特化した知見とグローバルベストプラクティスを活かすことができます。特に金融や保険、製造、流通小売、学術機関といったデータ秘匿が重要な分野に価値を提供するソリューションです。キンドリルは、AIなどの先進技術を通じて日本のデジタルトランスフォーメーションを支援し続けます」と語っています。
このサービスは、組織の様々なニーズに応じた3種類の形態を提供しています。すなわち:
1.
ベーシック:キンドリルがAIプライベートクラウドのGPU環境と関連ソフトウェアへのアクセスを提供し、OSやコンテナの導入は顧客が実施します。
2.
スタンダード:ベーシックに加え、OSおよびコンテナの導入もキンドリルが実施。
3.
プレミアム:AI導入初心者のために、ポCの企画から実行までをトータルサポートします。
今後、キンドリルはこの「Kyndryl AIプライベートクラウドサービス」を拡張し、2026年3月には本格展開を目指しています。その中で、AIアプリケーションの本格的な導入支援や、ニーズに応じたプライベートAIプラットフォームの構築サービスを提供する予定です。
キンドリルの調査によれば、「Kyndryl Readiness Report 2024 日本版」では、AIへの備えが整っていると答えた企業はわずか22%で、これは世界平均の29%を下回っています。また、この調査では、日本企業がAI導入において直面する最大の障壁がデータプライバシーとセキュリティであることが指摘されています。
これらの課題を解決するため、キンドリルジャパンは本サービスを通じてデータプライバシーやセキュリティを強化し、日本企業のAI導入支援に今後も取り組んでいく所存です。私たちの生活やビジネスの中心にAIが根付く未来を見据え、キンドリルはその実現に向けて変化を促進していきます。もちろん、キンドリル(Kyndryl Holdings, Inc.)について詳しくは公式サイトの
キンドリルウェブサイトを訪れてください。