株式会社スマート・フォレストとCO₂吸収量試算ファイル
近年、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進む中、森林吸収系のJクレジット制度が注目を集めています。しかし、CO₂吸収量の算定は多くの自治体や事業者にとって大きな壁となっており、そのための専門知識や人手が必要となるため、簡単に取り組むことができないのが現状です。
そんな中で、株式会社スマート・フォレストが新たに開発した「CO₂吸収量試算ファイル(北海道版)」が登場しました。これは、簡単かつ正確に吸収量を試算できるツールとして、6月25日にWeb上で無償公開されました。
開発の背景
森林Jクレジット制度は、森林が持つCO₂吸収機能を利用して、温室効果ガスの削減に寄与するものです。しかし、正確な吸収量を算定するためには、高度な専門知識と多くの準備が求められます。このため、自治体や企業は専門家に依頼せざるを得ず、コストや手間がかかるのです。
そこで、株式会社スマート・フォレストは、誰でも手軽に試算できるツールの必要性を考え、このファイルを開発しました。
CO₂吸収量試算ファイルの特徴
この試算ファイルは、Jクレジット制度に基づく森林管理プロジェクトの登録を計画している自治体や森林組合、事業者が対象です。林野庁が公開する吸収量試算表を基に、北海道特有の「収穫予想表」のデータも入力できる設計になっており、これにより地域の特性を考慮した試算が可能になります。
このファイルを使えば、これまでコンサルタントに依頼していた複雑な算定作業が、最短5分程度で完了するというから驚きです。必要なデータをコピー&ペーストするだけで、クレジット算定に必要な実績と計画を自動的に分析してくれます。
無償提供の理由
本ツールは、脱炭素活動を進めたいが、経費や運用面での負担から挑戦をためらっている団体や事業者にとっても、非常に価値があります。無償で利用できるこの試算ファイルにより、もっと多くの地域・団体がJクレジット制度に参加しやすくなるでしょう。
今後の展開
株式会社スマート・フォレストは、北海道版の公開に続き、全国47都道府県に関連するファイルを順次公開する予定です。九州エリアが2025年8月、東北エリアが9月、中国四国エリアが9月、近畿エリアが10月、中部エリアが11月、関東エリアが12月と、地域特性を生かした試算ファイルが続々と登場します。
会社概要
株式会社スマート・フォレストは、東京都千代田区に本社を置く会社で、林業や山林管理、温室効果ガス排出権の売買、AIやIoTを用いた業務改善のコンサルティングを行っています。
会社情報
脱炭素活動が進む中、地域の取り組みを支援するこの新たなツールは、今後の環境保護にも大きく寄与することでしょう。