組織成長を支える新たな概念「コーチャビリティ」とは

フォスターリンク株式会社が2024年12月に実施したインターネット調査では、「コーチャビリティ」という概念について明らかにされました。コーチャビリティとは、個人の成長やパフォーマンスを高めるために、建設的なフィードバックを求め、受け止め、実行する意欲と能力を指しています。これまでの研究から、フィードバックが企業や個人の成長にどれほど重要かが分かってきましたが、コーチャビリティはその中でも特に注目すべき要素です。

調査の背景

1960年代から70年代にかけて生まれたコーチャビリティは、もともとはスポーツのパフォーマンス向上のための基本的な資質として提唱されました。しかし、近年ではビジネスの場面でも重視され、特にフィードバックの質が企業の成長に大きく寄与することが論じられています。

調査対象は、10代から60代の640名であり、組織に所属する人々のコーチャビリティに関する意識を探ることを目的としていました。その結果、フィードバックを受け入れる姿勢が成長意欲やキャリア志向に強く影響を及ぼすことが明らかになりました。

調査結果の概要

調査結果から明らかになったのは、回答者の52%が「はい」と答え、他者からのフィードバックを積極的に受け入れている意欲を持っているということです。さらに、フィードバックを受け入れる姿勢が自己改善にどのように影響しているかを尋ねたところ、約8割の人が成長への影響を実感していることが分かりました。

コーチャビリティを高めるために

コーチャビリティは、次の3つの要素から成り立っています。

- フィードバック探索行動: 自らフィードバックを求める姿勢。
- フィードバック受容性: 他者の意見を柔軟に受け入れる能力。
- フィードバックを反映した行動の実行: 実際に得たフィードバックを行動に移す力。

これらの要素を育むことで、組織全体のパフォーマンスが向上し、個々の成長が促進されます。

パフォーマンスコーチの役割

パフォーマンスコーチと呼ばれるプロフェッショナルは、選手やクライアントのパフォーマンスを最大化するためのサポートを行っています。最近、阿久津洋介トレーナーへのインタビューを通して、コーチャビリティの具体的な事例を探りました。彼は、スポーツ選手に対し、必要なトレーニングを逆算して提案し、選手自身が持つ課題に対して明確なフィードバックを行うことで、成長へと導いています。

日本代表選手も指導する阿久津トレーナーは、コーチャブルな選手には共通の特性があるといいます。それは、他者からのフィードバックを受け入れ、常に自己改善に努める姿勢です。