第37回和辻哲郎文化賞受賞作品発表
本年度の和辻哲郎文化賞の受賞作が発表されました。一般部門では、甲南大学経済学部の平井健介教授の著書『日本統治下の台湾 ―開発・植民地主義・主体性―』が受賞。学術部門では、大阪大学名誉教授の鷲田清一氏による著作『所有論』が栄誉を受けました。
応募状況と選考委員
今年の応募は一般部門で98作品、学術部門で76作品が寄せられ、各部門ともに高い競争率が見られました。
一般部門の選考委員には、作家の辻原登氏、東京大学名誉教授の山内昌之氏、早稲田大学特命教授のロバートキャンベル氏が名を連ねています。学術部門では、聖学院大学名誉学長の清水正之氏、東北大学名誉教授の野家啓一氏、東京大学名誉教授の関根清三氏が選考を行いました。
受賞作の紹介
一般部門受賞作
- - 著者: 平井健介(甲南大学経済学部教授)
- - 書名: 『日本統治下の台湾 ―開発・植民地主義・主体性―』
- - 出版予定: 名古屋大学出版会、2024年6月28日
この著作は、台湾における日本の統治時代の開発やその影響を深く掘り下げ、植民地主義の視点からも主体性について考察しています。
学術部門受賞作
- - 著者: 鷲田清一(大阪大学名誉教授、京都市立芸術大学名誉教授)
- - 書名: 『所有論』
- - 出版予定: 講談社、2024年1月30日
鷲田氏の『所有論』は、所有の概念を哲学的に探求した画期的な著作であり、現代社会における所有の意味再考を促す内容です。
授賞式について
授賞式は、和辻哲郎の生誕日である3月1日を記念して、毎年3月の第一日曜日に行われています。今年は、令和7年3月2日(日曜日)午後1時30分からの開催が予定されています。
プログラム
1.
式典: 午後1時30分から午後2時50分まで
2.
記念講演会: 午後3時00分から午後4時00分まで
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講師: 岩下尚史(作家)
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演題: 饗宴のゆくえ―『芸者論』その後
会場
授賞式は、姫路市市民会館大ホールで開催されます。参加希望者は、指定された申請方法にて申し込む必要があります。申し込みには、名前、住所、電話番号などの情報を記入し、期限内に郵送してください。
また、車椅子席や手話通訳が必要な場合も事前に申し出ることができます。応募多数の場合は、抽選が行われるため、早めの申し込みが推奨されます。
申し込み方法と期限
- - 申込締切: 令和7年2月13日(木曜日)(必着)
- - 申込先: 姫路文学館(〒670-0021 姫路市山野井町84番地)
- - ホームページ: 姫路文学館の公式サイトから申請フォームも利用可能です。
受賞作品を讃え、授賞式に参加して、文学の深い世界を共に楽しむ貴重な機会をお見逃しなく。