東邦ガスと尾張旭市が部活動改革の実証実験を実施
2025年5月12日、東邦ガスは尾張旭市教育委員会との連携による「部活動改革に係る実証実験」の報告会を尾張旭市役所で行いました。本取り組みは、自治体向けソリューション「東邦ガス つなぐtech(ツナグテ)」の一環として、企業人材を部活動の外部指導員として活用し、教育委員会の業務効率化を目指すものです。
約100名の参加者が集結したこの会議では、実験の取り組み内容や成果、今後の方針が発表され、参加者との意見交換も活発に行われました。
教育現場の現状と改革の必要性
近年、日本の公立中学校の部活動は、少子化や教職員の長時間労働といった社会的な課題により、大きな転換期を迎えています。国の方針として、「部活動の地域移行」を進める中、尾張旭市は2025年度末に教職員による休日の指導を廃止する方針を掲げています。
東邦ガスは、こうした流れに対し、企業人材を活用することで中学校の部活動に新しい風をもたらし、同時に教育委員会の業務負担を軽減する取り組みを進めています。
実証実験の内容と評価
実証実験は2025年2月から3月にかけて、尾張旭市立西中学校で実施されました。東邦ガスの社員が外部指導員として様々な部活動に参加し、教育委員会とのディスカッションを通じて業務の実態を整理しました。
重点的に検証されたのは、「企業人材が外部指導員として受け入れられるか」という点です。実際の活動では、企業人材が競技経験を活かした指導に加え、社会人としての姿勢が生徒に良い影響を与えたことが確認されました。アンケート結果でも、生徒の96%、保護者の92%が外部指導員の評価が高いことを示しています。
また、実験への肯定的な声が多く寄せられ、生徒や保護者から様々な視点での指導の必要性が伝えられました。一方で、現場での連携やコミュニケーションの難しさも課題として浮上しました。
業務負担の洗い出しと今後の展開
さらに、外部指導員の受け入れによって教育委員会や学校の業務がどのように変化するかも重要なテーマでした。複数回のディスカッションを通じて運用上の課題が浮かび上がり、業務の効率化に向けた提案が行われました。
教育委員会と連携して業務運用の課題を共有し、外部人材の活用を進めるために必要な準備や仕組みの改善が求められています。報告会では、次の実証実験に向けた方針も発表され、前向きな反応を得ることができました。
持続可能な部活動の実現に向けて
今回の実証実験は、企業・自治体・教育現場が協力し、子どもたちに安心して参加できる部活動を提供する試みです。東邦ガスは、この取り組みを尾張旭市だけでなく、全国へと広げていく意向を示しています。持続可能な社会を実現するため、地域との連携を深めながら一歩ずつ努力を重ねていく所存です。
詳しくは、「東邦ガス つなぐtech(ツナグテ)」の公式サイトでもご確認いただけます。