天地人コンパス、宇宙水道局の新サービス
株式会社天地人は、新たに『天地人コンパス 宇宙水道局「管路更新課」』のサービスを開始しました。このサービスは、上下水道の管路更新計画を地域の特性に応じて支援することを目的としています。これは、急激な都市化や設備の老朽化に速やかに対応するための施策として注目されています。
地下に潜むリスクとは
水道管は地下に埋設されているため、その状態を確認することは非常に困難です。全国で毎年約2万件の漏水事故が発生しており、主な原因は1960年代から設置された経年管の老朽化です。これに伴う更新費用の高騰と、それにまつわる地域の財政事情は深刻な課題となっています。また、地震や気候変動の影響によって、管路の状態はさらに不安定なものとなっているのが現実です。
漏水リスクの把握
天地人では、漏水リスクを以下の2つの観点から評価しています。
1.
漏水のリスクを検知する技術
2.
重要度を示す指標の設定
このふたつのアプローチを組み合わせて、どの管路が将来的に漏水を起こしやすいか、また、その管路が機能不全に陥った場合にどの施設に大きな影響を及ぼすかをモデル化します。これにより、適切な対策が求められる箇所を迅速に把握することが可能となります。
管路の健全度評価
管路の健全度評価は、その状態を示す重要な指標であり、数多くの要因—例えば、経年劣化や耐震性、外部からの影響—を考慮に入れて評価されます。健全度の高い管路はリスクが低く、逆に低ければ早急な対策が必要とされます。また、健全度とともに重要度の評価を行い、社会や生活に及ぼす影響を明確にすることで、漏水リスクに対する戦略的なアプローチが実現します。
アセットマネジメントによる計画策定
新サービスである『天地人コンパス 宇宙水道局「管路更新課」』では、アセットマネジメント手法を用いて管路更新の優先順位を明確にし、計画を策定します。これにより、平時と災害時、それぞれの視点から重要度を数値化し、効率的な運用が可能となります。
シナリオ作成の可能性
ユーザーは平時と災害時のリスク評価を基にした多様なシナリオを作成でき、それぞれの状況に応じて柔軟に計画を適用することが可能です。また、地域の課題を踏まえ、特有の環境変化にも応じてシナリオを見直すことができる機能も備えています。
新たなリスク診断機能の追加
『天地人コンパス 宇宙水道局「維持管理課」』も同時に進化しています。この機能では、管路単位での詳しいリスク診断が可能になり、漏水のリスクをより精密に把握するとともに、迅速なメンテナンス計画を実施するための基盤が整いました。具体的には、従来のメッシュ単位による診断に加え、個々の管路に対する詳細な診断を行うことができ、より効率的な維持管理が実現されます。
まとめ
株式会社天地人は、今後も『天地人コンパス 宇宙水道局』の機能強化を図り、全国の自治体における水道インフラの持続可能な運用への貢献を目指しています。地域に根ざした水道管の安全性と効率性の向上を実現するため、引き続き取り組みを続けていきます。