外国籍人材の育成支援に関する調査結果
株式会社エイムソウルが14社のパートナー企業と共同で実施した最新の調査が発表されました。この調査の目的は、日本企業における外国籍人材の育成と定着支援の実態を明らかにし、適切な改善点を探ることです。
調査概要
調査は「日本企業における外国籍人材の育成・定着支援に関する調査」というテーマで、2025年2月から3月にかけて実施されました。対象は、日本での在留・就労経験がある外国籍人材で、実態調査には229名(33カ国)、価値観の国際比較調査には699名(35カ国)の回答が寄せられました。
調査結果の概要
調査の結果、注目すべき点がいくつか浮かび上がりました。まず、外国籍人材向けの育成プログラムが整備されている職場は51%に留まり、残りの半数近くの職場では取り組みが不十分であることが明らかになりました。この結果は、外国籍人材が日本企業での適応に苦労している要因の一部を示唆しています。
特に、入社時研修やビジネスマナーに関する教育プログラムは整備されている企業が多いものの、より専門的な内容や文化理解の支援が不足していることが評価されています。日本語学習支援や文化理解に対するニーズは大変高く、企業はこの点においても改善が必要です。
外国籍人材が求める支援
調査の中で特に注目されたのは、日本企業が外国籍人材を受け入れるための環境が十分に整っていないことです。調査回答者の多くが、日本市場に適応するための日本語学習支援や文化理解に対する支援が必要だと感じています。専門用語集や日本の文化についての具体的な説明が求められています。
マニュアル整備の重要性
育成支援についての国際比較では、各国のビジネスパーソンが業務のマニュアル整備状況を重視する傾向があることがわかりました。具体的には、業務のマニュアルが60%を下回る評価を受けるとネガティブに評価されるため、これもまた重要な要素です。
契約外の業務依頼
加えて、契約外の業務依頼が頻繁に行われることが、外国籍人材にとって大きなストレス要因になることも指摘されています。業務の透明性を高め、事前に契約書に明記することが求められています。
今後の展望
エイムソウルは、今回の調査結果を基に日本企業が外国籍人材の育成・定着支援に向けて改善すべき点を明確にするための取り組みを進めていく予定です。また、企業が求められる外国籍人材の受け入れ力診断や研修プログラムの提供を通じて、企業のニーズに応じた支援を行っていく考えです。
外国籍人材の活躍は、日本の企業文化に新しい風を吹き込み、経済を活性化させる大きな力になるでしょう。今後、日本企業がどのようにこの課題に取り組んでいくのか、引き続き注目していきたいところです。