SaaS管理プラットフォームNiceCloudが1億円資金調達を実施、DX推進が加速する中での展望

NiceCloudが新たな資金調達を実施

LBV株式会社が開発したSaaS管理プラットフォーム、NiceCloudは、Coral CapitalやANOBAKAなどの投資家から約1億円の資金を調達したことを発表しました。この資金調達は、企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）が進む中で、SaaS（Software as a Service）市場が急成長していることを背景に行われました。

SaaS市場の現状と課題

最近の調査によると、SaaSの国内市場規模は2024年には1兆円を超える見込みで、企業のデジタル化が加速する中、SaaSの利用が拡大しています。しかし、その成長と並行して各企業が抱える問題も明らかになっています。特に、SaaSを利用する企業が多くなると、どの従業員がどのサービスを利用しているのかの管理が複雑化し、アカウントの発行や削除に時間を要するなどの課題が発生します。

この状況に対して、NiceCloudは企業のSaaSアカウントを一元管理し、利用状況や費用を可視化することで、こうした問題を解決することを目指しています。導入により、アカウントの管理プロセスが自動化されるため、従業員が必要なサービスに迅速にアクセスできるようになります。これにより、業務効率も大幅に向上します。

今後の計画と期待される機能

NiceCloudは、2021年の3月にクローズドα版をリリースし、その後機能の強化を行った上で同年夏にβ版の公開を予定しています。早期に事前登録を行った数十社には、上場企業やスタートアップも含まれています。今回の資金調達によって、開発体制を強化し、より多くのSaaS提供事業者との提携も進めていく計画です。

代表者の経歴

NiceCloudの創始者である伊藤翼氏は、慶應義塾大学法学部を中退後、様々なスタートアップでのエンジニアとしての経験を積みました。2016年にはRegulus Technologiesを設立し、2018年には同社を他の企業に売却。その後はツナググループの執行役員としても活動し、2020年にLBVを設立しました。

投資家の声

資金提供を行ったCoral CapitalのCEO、James Riney氏は、伊藤氏の製品開発能力を高く評価し、SaaS市場でのニーズが高まる中、NiceCloudの実現を心待ちにしているとコメントしています。また、ANOBAKAのパートナー、萩谷聡氏も、今後のSaaS市場の成長に伴い、NiceCloudの重要性が増すだろうと期待を寄せています。彼らは全方位からの支援を約束しています。