出所者自立支援に向けた新たな挑戦と柴田公美香さんの決意

出所者自立支援に向けた新たな挑戦

株式会社ビーエイトシー（福岡県福岡市）は、2023年9月に公益財団法人日本財団の職親プロジェクトの協力企業に選ばれました。このプロジェクトは、出所者が自立するための働き場所を提供し、再犯のリスクを減少させることを目的としています。最初の受け入れ社員となる柴田公美香さんにインタビューを行い、彼女の思いや今後の目標についてお話を伺いました。

職親プロジェクトの目的

日本財団の職親プロジェクトは、出所者の再挑戦を支援するために「職の親」となる企業を募集しています。彼らは、出所者が安心して働ける場所を提供し、再犯を防ぐためのサポートを行います。日本では、2020年の再犯率が49.1%にのぼる現状があり、こうした取り組みは社会復帰や地域安全に向けた重要な手段とされています。

株式会社ビーエイトシーの方針

ビーエイトシーは、障がい者雇用の促進にも努めており、多様なバックグラウンドを持つ人々が共に働く環境を整えています。出所者の雇用も、その一環として位置づけています。障がい者雇用での経験が評価され、職親プロジェクトへの参入が決まったのです。

柴田公美香さんへのインタビュー

柴田さんは、2024年11月にビーエイトシーに入社し、福岡丸福水産での職務に従事しています。彼女は段ボールを組み立てたり、魚の箱詰め作業を行ったりしています。

働きやすい環境

「職場の方たちが親切で、体調を気遣ってくれたり、分からないことを優しく教えてくれたりします。とても働きやすい環境です。」と柴田さんは話します。入社以前には週5日働くことが難しかった時期もありましたが、担当社員との対話を通じて自信を持てるようになったそうです。また社長からも自らの経験を共有され、背中を押してくれる存在として頼りにしていると語りました。

自分と向き合う変化

柴田さんは、仕事を通じて人とのつながりの重要性を実感しています。「以前は衝動的に行動してしまうこともありましたが、今は相談できる人がいるので、自分と向き合えるようになりました」と彼女は力強く語ります。所属するビーエイトシーでの居場所が、自分自身を見つめ直すきっかけになっているようです。

目指すは恩返し

柴田さんの今後の目標は「毎日、きちんと仕事に行くこと」とのこと。「その積み重ねが精神的、金銭的な自立に繋がると信じています。再犯しないことが、私の最大の恩返しです。これからも仲間と共に頑張ります。」と決意を新たにしました。

このように、ビーエイトシーと職親プロジェクトは、社会の一員として出所者が新たなスタートを切るための重要な役割を果たしています。柴田公美香さんの明るい未来に期待が寄せられます。