職場の安全を科学する新サービス
転倒や腰痛、認知機能低下といった職場の“見えないリスク”を可視化する新たなサービスが登場しました。その名も「職場のフレイルチェック&CogEvo」です。このサービスは、ロボタスネット株式会社によって提供され、企業の安全で快適な労働環境づくりを支援することを目的としています。
背景と必要性
昨今、高齢化が進む中で、企業の安全対策は新たなフェーズを迎えています。特に高齢者のいる労働環境では、身体機能や認知機能の低下が不可避です。令和6年度の労働災害発生状況では、休業4日以上の労働災害の中で「転倒」が第1位にのぼり、その発生件数は年々増加しています。特に50代以上の社員に多く見られるこの問題に対して、単なる注意喚起や作業環境の整備だけでは十分ではなく、個別の健康状態に応じたリスクの可視化が必要とされています。
サービスの内容
「職場のフレイルチェック」は、理学療法士による身体機能の見える化を実施。具体的には、片足立ちや反応速度、ステップテストなどを行い、その結果をレポート形式で提供。主に高齢の従業員の健康リスクの早期発見に繋がります。
さらに、認知機能評価を行う「CogEvo」を活用します。このツールは約5分で注意力、記憶力、判断力、空間認識力を測定でき、特に高齢ドライバーの事故防止や作業エラーのリスクを抽出するのに役立ちます。また、測定結果の経時変化を追うことで、従業員の日々の健康管理にも活用可能です。
利用シーン
この新サービスは、企業の安全大会や職場研修、健康支援の計画立案に幅広く利用されることが期待されます。具体的には、産業医や保健師と連携し、離職リスクの早期発見や人材定着施策の効果測定などに活用できます。また、働き方改革への取り組みやウェルビーイングの向上を評価する指標としても適しています。
導入の流れ
サービスの導入は、企業の目的や対象者に応じた評価メニューの調整から始まります。現地での測定やヒアリングを経て、結果レポートや改善提案が行われます。その後、必要に応じて職場改善や運動指導、補助具の提案に至るまで幅広い支援が受けられます。
まとめ
「職場のフレイルチェック&CogEvo」は、職場環境を見える化し、リスクを低減する画期的なプログラムです。企業にとっては安全な就労環境を整えるための重要なツールとなるでしょう。今後、ますます高齢化が進む社会において、このような取り組みは一層重要性を増していくと考えられます。安全で健康的な職場を目指すため、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。