京都・文化遺産アーカイブプロジェクトが始動
「明日の京都」プロジェクトが新たに発足しました。この取り組みは、古都京都の豊かな文化遺産を保存し、次世代に継承することを目的としています。プロジェクトには、文化遺産の所有者、行政、市民、研究者、企業が協力し、景観、防災、公開の問題に取り組むという広範なネットワークが形成されています。
プロジェクトの背景
2010年に設立された「明日の京都」は、京都の文化遺産を守るために様々な関係者が集まりました。特に、世界遺産として認定されている17の社寺と城が、一堂に会する「古都京都の文化財ネットワーク会議」を通じて、共通の課題に対する取り組みを進めています。フォーラム、研究会、連続講演、子ども向けの絵画コンクールなど多彩な活動が行われ、京都の文化の重要性が広まりつつあります。
本プロジェクトでは、DNP(大日本印刷)とMBS(毎日放送)も参加しています。DNPは美術館や博物館のアーカイブ事業を展開し、MBSは京都の文化遺産の魅力を高精細映像とオリジナル音楽で伝える番組を数多く制作しています。これらの企業が連携し、京都の文化を収めた高精細映像の保存を進める新たな事業に取り組んでいます。
プロジェクトの目的
このアーカイブプロジェクトの主な目的は以下の通りです。
1.
高精細映像の収録: 世界文化遺産に登録された17社寺・城の仏像や庭、行事などの映像を高精細で収録し、その保存を行います。
2.
学びの場の提供: 収録した映像を活かし、子供たちや世界中の人々が文化遺産を学べる体験施設の開設を目指します。また、大学や図書館を通じて教育プログラムを推進します。
3.
文化イベントの開催: 京都の歴史と文化をテーマにした映像イベントや、教材・電子書籍の制作も予定しています。20周年を迎える世界遺産登録に関連した記念事業も計画中です。
4.
基金への寄与: プロジェクトから得た収益の一部は「文化財を守るための京都府基金」に寄付され、文化遺産の保護につながります。
各社の役割
このプロジェクトにおける各社の役割は以下の通りです。
- - 明日の京都: プロジェクトの推進、趣旨説明、映像撮影の依頼、クロスメディア事業への協力を担当。
- - DNP: 映像素材の管理、作品企画、事業運営を行います。
- - MBS: 高精細映像の撮影、制作、放送番組化を担当。
アーカイブ化される文化遺産
プロジェクトでアーカイブされる文化遺産は以下の通りです。
- - 賀茂別雷神社(上賀茂神社)
- - 賀茂御祖神社(下鴨神社)
- - 教王護国寺(東寺)
- - 清水寺など
これらの文化遺産は、京都を代表する建物であり、その美しさと重要性は世界的に認められています。
高精細映像について
プロジェクトで使用される高精細(4K)映像は、現行のフルハイビジョンの4倍の画素数を持ち、立体感のある表現が可能です。この技術を駆使して、京都の文化遺産を新しい視点から記録していきます。
この「京都・文化遺産アーカイブプロジェクト」が円滑に進み、次世代へ古都の文化を繋げる大きな一歩となることを期待しています。