オンライン大学卒業生の採用意欲が高まる背景
少子化の影響を受け、国内の大学全体が厳しい状況に置かれています。その中で、成長を見せているのがオンライン大学です。特に、働きながら能力を高めたい社会人や、学び直しを希望する人々にとって、柔軟な学びの場としてのオンライン教育は魅力的です。サイバー大学が行った調査によれば、採用業務経験者の約4割が今後オンライン大学卒業生を積極的に採用したいと考えていることがわかりました。
人材不足の深刻化
調査によると、約80.8%の採用担当者が自社の人材不足を実感しています。さらに、約4割が「十分な採用活動ができなかった」との結果も出ており、企業は従来の枠組みを超えた人材採用の必要性に迫られています。このような現状から、オンライン大学の卒業生に注目が集まる理由が明らかになっています。
オンライン大学卒業生への期待
オンライン大学の卒業生には、自律的に学べる能力や高度なITリテラシーが求められています。調査結果では、「自律的に学ぶ姿勢が強い学生が多い」という意見が最も多く、続いて「ITリテラシーが高い」が挙げられました。しかし、一方で「協調性やコミュニケーション能力に不安がある」との懸念もあり、採用企業はこれらのスキルに着目しています。
オンライン大学卒業生を実際に採用した企業の68.2%は、入社後のパフォーマンスを高く評価しています。特に「即戦力として活躍する」との意見が多く、リモートワークへの適応及び柔軟性が高いとされています。企業が現代の変化に対応できる人材を求める中で、このオンライン教育の特性が評価されています。
学歴に縛られない評価
オンライン大学と通学制大学の卒業生を比較した結果、企業は「個人の能力次第」と考える割合も増えつつあります。約17.5%が「通学制・オンライン大学どちらでも能力に差がない」と述べ、学歴に縛られない公平な評価が進行中であることが示されています。
今後の展望
調査結果からは、オンライン大学卒業生の今後の採用意欲が増していることが見受けられます。採用業務経験者の約4割がこれらの卒業生を今後積極的に採用したいとのことから、オンライン学位が就職市場での優位性を持つ時代が迫っているのかもしれません。これにより、企業は必要なスキルを持つ人材を確保することが可能となり、双方向の価値が創出されることでしょう。
サイバー大学は、こうした市場の変化を受けて、さらに質の高いオンライン教育を提供し続けるための努力を怠りません。高まるオンライン大学の需要に対応するため、企業も新しい採用戦略を検討する必要があると感じられます。
調査概要
本調査は、福岡市のサイバー大学によって実施され、全国の経営者や会社員を対象に行われました。調査方法はインターネットを利用し、1,100人からの回答を得ています。調査期間は2024年12月18日から26日までで、結果は新たなオンライン大学の可能性と今後の企業戦略に対する示唆を提供しています。