アンリツ株式会社、5G通信の新たな前進を支援
アンリツ株式会社は、新しい通信技術である「Lower Layer Triggered Mobility(LTM)」の評価環境を業界で初めて提供しました。この技術は、5G-Advancedに向けたもので、低遅延かつ高信頼性の通信を実現するためのものです。具体的には、ハンドオーバー時に通信が中断する時間を短縮する役割を果たします。従って、拡張現実(XR)や産業用アプリケーションなど、リアルタイム性を必要とするサービスでの活用が期待されています。
LTM技術の重要性
LTMは、移動中のユーザー機器(UE)が通信を維持したまま基地局を切り替える際に、その中断時間を低減する技術です。従来の5Gネットワークでは、ハンドオーバーはレイヤ3の無線リソース制御メッセージによって実施されており、最適化された環境でも50〜90ミリ秒程度の通信中断が生じていました。この遅延は、産業機器の遠隔制御やXRなどリアルタイム性が求められる通信サービスで大きな障害となっていました。そのため、LTMが導入されることで、よりスムーズな通信が可能になります。
ハンドオーバー技術の革新
3GPP Release 18で標準化されたLTM技術は、ユーザー機器のレイヤ1の測定値に基づいてハンドオーバーを行います。これによって、レイヤ2のシグナリングを用いてハンドオーバーを制御できるようになります。この新しい技術により、隣接セルとの事前同調が可能となり、結果的に通信がより一層安定します。
アンリツは、この新たな取り組みを通して通信事業者や端末ベンダーがLTM関連機能の実装および検証を迅速かつ効率的に行えるようサポートします。モバイルソリューション事業部長の横尾大三郎氏も、「LTM技術がもたらす高速かつ信頼性の高いハンドオーバー機能は、次世代5Gサービス実現にとって欠かせない要素です」と語っています。
ME7834NRテストプラットフォームの紹介
アンリツが開発した5G NRモバイルデバイステストプラットフォーム「ME7834NR」は、GCFおよびPTCRBにおいて登録されています。これにより、ユーザーは複数の無線接続技術に対応する3GPP準拠のプロトコルコンフォーマンステストや事業者受入試験を行うことができます。ME7834NRは、StandaloneおよびNon-Standaloneの両モード、さらにLTEやW-CDMAなどの他の技術とも互換性があります。このプラットフォームは、サブ6 GHz帯およびミリ波帯における5G NR試験も可能で、さらなる評価が期待されます。
結論
アンリツの新たな評価環境の提供は、通信業界における5G技術の進化を促進する重要な一歩です。リアルタイム性と高信頼性が求められるアプリケーションのために、LTM技術はその役割を果たすことが期待されています。今後、通信事業者や端末ベンダーは、LTMの導入を進め、よりシームレスな通信環境を実現できるでしょう。