ジェラルド・チャールズの新作時計「マエストロ2.0ウルトラシン・ラピスラズリ」
ジェラルド・チャールズが新たに発表した「マエストロ2.0ウルトラシン・ラピスラズリ」は、ブランドのコア・コレクションに追加された実にエレガントなドレスウォッチです。この新作は、時計製造の伝統に新しい風を吹き込む作品であり、創業者である伝説のデザイナー、ジェラルド・チャールズ・ジェンタの華やかさと実用性が見事に融合しています。このモデルは、不思議なことにドレスウォッチでもスポーツウォッチでもないという独自の立ち位置を持っており、その魅力は特にラピスラズリで飾られた美しい文字盤によって引き立てられています。
ラピスラズリの魅力的な文字盤
ラピスラズリを使用した文字盤の製作過程は、多くの手間と時間を要します。実際には、文字盤一つを作るのに平均24時間もかかります。最初の段階では原石をカットし、その後色を確認しながら加工を進める必要があります。文字盤を完成させるためには1枚のラピスラズリから、最終的にわずか0.55mmの厚さまで研磨されることが求められ、その過程で欠陥が見つかり、最終的には50個の文字盤を得るために150枚以上の原石が必要となります。
この凝った作業は、ラピスラズリの天然美を生かすための慎重な研磨を必要とし、その中でもインデックスや針、日付窓を取り付ける作業が特に難しいです。石が壊れやすいので、マエストロコレクション特有のシルエットに合うように形を整える必要があるのです。
スタイリッシュなデザインと技術
「マエストロ2.0ウルトラシン・ラピスラズリ」のベゼルには、バロック様式のモチーフにインスパイアを受けた洗練されたブルーのカラーミックスコーティングが施されています。これにより、時計全体の美しさが一層引き立っています。ポリッシュ仕上げのステンレススティール製ケースとコントラストを成しつつ、ホワイトのスーパールミノバが施されたインデックスは暗い場所でも視認性を保ち、デザインの一貫性をさらに強化しています。
進化した自動巻きムーブメント
この新作には、クオリテ・フルリエ・レベルの高度な手仕上げを施した自動巻きムーブメントが搭載されており、スイス製の2.0キャリバーは50時間のパワーリザーブを持ちながら、毎時28,800の振動を誇ります。美しさだけではなく、内側に隠された技術的な要素が際立っており、歴史的な手仕上げ技術を駆使した装飾が施されているのも大きなポイントです。
特に、ブランドの創立25周年を祝うためにカスタマイズされた振動ローターは、特別な存在感を示しています。
限定感と希少性
「マエストロ2.0ウルトラシン・ラピスラズリ」はシリアルナンバー入りの限定モデルではありませんが、その製造に必要な素材の希少性と手作業による仕上げにより、流通量は自然と限られることでしょう。価格は400万4000円(税込)となっており、高級時計としての地位を確立した一品です。
2024年のWatches & Wondersでは、さらにその魅力を発信する機会が訪れることでしょう。ジェラルド・チャールズが持つ独自の美学と技術が詰まった「マエストロ2.0ウルトラシン・ラピスラズリ」は、時計愛好家にとって見逃せない存在となること間違いありません。