漬けたら食べられた!子どもたちの野菜嫌い克服プロジェクト
2025年9月19日、岐阜県揖斐郡大野町にある大野町立北小学校で、子どもたちの野菜嫌いを克服するためのユニークな食育授業が行われました。この授業は、地域の企業である厚生産業株式会社の協力により、「漬物」をテーマに進められました。授業を通じて、子どもたちは野菜を「漬ける」体験を通して食の重要性を学びました。
食育授業の背景
この取り組みが始まった背景には、河合校長先生の悩みがありました。毎日の給食に残りが多く、特に子どもたちの苦手な野菜が多いことが課題であったため、新たなアプローチを試みることにしました。地域企業と連携することで、実際に自分たちが作った漬物を食べることで、食への興味を引き出そうというのが狙いです。
体験型の授業内容
授業は、座学や実践、クイズなど多様なアクティビティを通じて行われました。
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座学では、食べ物が体内でどのように栄養に変わるのか、そして野菜がなぜ体に良いかを解説しました。
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クイズでは漬物に関する知識を楽しく学ぶ時間が設けられ、子どもたちの興味を引きました。
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体験としては、あごだしを使った浅漬けや、ぬかチューブを利用したぬか漬けの作成を行いました。これにより、子どもたちが自ら野菜を扱うことで、一層の学びを深めました。
4.
試食タイムでは、作った漬物を実際に味わい、「なすが嫌いだったけど、漬物にしたら美味しかった!」などの驚きの声が上がりました。
5.
ふり返りでは、何を克服できたのかをアンケート形式で振り返ることで、自分の成長を実感しました。
6. 最後は、家庭への「橋渡し」として、子どもたちは家族とともにぬか漬けを楽しむことで、食育の重要性を家庭にも広めることを狙いとしています。
具体的な成果
授業の最後にはアンケートが行われ、そこで驚くべき結果が見えました。なんと40%の子どもが、漬物として調理した野菜を美味しく食べられるようになったと回答しました。特に人参や白菜が大人気で、甘酢漬けやあごだし浅漬けが好評でした。
河合校長先生の思い
授業を指導した河合校長は、子どもたちが自ら野菜を漬けることで、味覚が変わり、より多くの野菜を食べられるようになったと語っています。継続的な食育活動を通じて、子どもたちが健康的な食生活を送れるよう努力していく意向を示しました。今後はPTAや地域と協力しながら、さらに多様な食育活動を展開していく考えです。
厚生産業株式会社の役割
この授業を支えた厚生産業株式会社は、漬物の素や発酵食品の開発・製造・販売を行っています。漬物文化を次世代に受け継ぐため、全国で手作り漬物の講習会を開催しており、多くの人々にその楽しさを伝えています。今後も新しい商品開発に取り組み、現代のライフスタイルに合った漬物作りを提案し続ける予定です。
このように、教育と地域企業の連携により、子どもたちの食に対する意識が大きく変わる可能性を秘めた素晴らしい取り組みが実を結んでいます。今後の展開にも期待が寄せられます。