介護と仕事の両立に苦しむ声を受けて、企業の対応が急務に
日本では年間およそ10万人が介護を理由に離職するという深刻な問題があります。この問題は個人だけの課題ではなく、企業にとっても経営に影響を与えるリスクとなっています。株式会社ワーク・ライフバランスは、2025年1月から提供を開始した「介護離職予防研修・定額制サービス」の一環として実施した「介護と仕事の相談カフェ」に関する参加者アンケートを分析しました。その結果、多くの参加者が「精神的負担」や「職場への遠慮」についての不安を抱えていることが明らかになりました。
介護と仕事の相談カフェの開催背景
介護が突発的に始まる特性や、状況が長期化しやすいことが、従業員が職場で相談するのを難しくしていると言えます。アンケート結果によれば、介護が始まってからの2年以内に離職する人が多いことが分かっており、早期に両立体制を構築する必要があるとされています。2025年4月に施行された改正育児・介護休業法では、介護離職の防止に向けた情報提供や雇用環境整備が義務化されましたが、制度の構築だけでは実効性が薄いことが示されています。そこで、WLB社は「相談カフェ」の設置を決定しました。
相談カフェの概要と効果
「介護と仕事の相談カフェ」は、オンラインで提供され、介護の基礎知識を学びながら、実際の相談に専門家が回答する形式で構成されています。参加者の回答によると、65%が「不安が減少した」と答え、必要な知識と相談の機会を得ることで精神的な負担を軽減することができました。また、最も多かった不安の項目には「精神的な負担」があり、これは53%の参加者が感じていたことです。そのほかに「出費の多さ」や「職場の理解」なども不安材料として挙げられ、精神面だけでなく経済的な困難に関するニーズも見えてきました。
参加者の声と心理的支援の重要性
参加者の感想には、介護に対する様々な気づきが詰まっていました。「介護は頑張りすぎると思わず、無理をしないことが大切」という言葉や「相談できる場所が全国にあることが安心につながる」といった声が寄せられ、困難を抱えているのは自分だけではないと感じられることが多くの人にとって助けとなっています。心の余裕が介護や仕事の両方に良い影響を及ぼすことが示唆されています。
介護と仕事の両立に対する企業の提言
企業側は、介護と仕事の両立がしやすい環境を作っていく必要があります。特に介護に関する情報が企業内で共有されていないことが多く、課題が顕在化しにくい状況があります。経済産業省の調査によると、介護と仕事の両立に関する情報は、育児に比べて圧倒的に少ないため、自社内でのリテラシーを高める盛り上げが重要です。
今後も、WLB社が提供する研修によって広く正しい知識が普及し、多くの企業が介護離職ゼロを目指す取り組みが進むことが期待されます。このテーマについては、2026年5月28日に行われるオンラインイベントで詳しく解説される予定で、最新の法改正に基づく情報が提供されます。従業員一人一人が安心して介護と仕事を両立できるよう、一層の努力が求められています。