OKUMA TECHが新たな水素発電装置を発表
福島県大熊町に本社を構えるOKUMA TECH株式会社は、新たな取り組みとして「可搬式水素発電装置」を開発しました。この発表は、持続可能なエネルギー社会の構築に向けた同社の取り組みの一環であり、小型水素社会の実現を目指しています。
会社名の変更と新製品の背景
OKUMA DRONEとして知られていた同社は、2025年6月1日から社名をOKUMA TECHに変更します。この名前の変更は、水素テクノロジーを中心に事業を広げるための戦略的な一手であり、社会が求める持続可能なエネルギーの実現を加速するために行われました。
新製品である可搬式水素発電装置は、2025年7月1日から受注を開始予定です。これまで開発が進められてきたこの装置は、分散型・地産地消型の小型水素社会を構築するための具体的なステップとして注目されています。
製品の特長と用途
この可搬式水素発電装置は、1kWと3kWの二つのモデルがあり、手押し台車型のデザインが特徴です。工事現場やイベント、避難所、さらには医療や福祉施設など、さまざまな場面での電源供給が可能です。以下に、製品の主な特長を紹介します。
- - 排出物は“水蒸気”のみ:CO₂を排出せず、無臭かつクリーンで低騒音な運転が実現されているため、屋内や店舗内のバックアップ電源として安心して利用できます。
- - 可搬式デザイン:手押し台車で簡単に移動が可能なので、様々なシーンで活用できます。
地元から未来をつくるビジョン
OKUMA TECHは「地元から未来をつくる」という理念のもと、小型水素製造装置や可搬式水素発電装置、エネルギーマネジメントソリューションを開発しています。特に、今回の可搬式水素発電装置は、同社が自らの開発した水素燃料電池ドローンの技術を基に製造されており、実証フィールドでの検証を経て市場に出ることになります。
水素テクノロジーへの取り組み
OKUMA TECHは水素燃料電池セルスタックの開発や、水素を活用したドローンの研究開発を進めています。また、特殊用途の産業用ドローンやロボット技術の開発、自動運航管理システムの構築に取り組み、さらに脱炭素や再生可能エネルギーに関連するコンサルティングサービスも提供しています。これにより、同社はテクノロジー革新を通じて社会課題の解決を目指しています。
これからの展望
福島県大熊町から始まったOKUMA TECHは、日本国内だけでなく、東南アジアなどの地域にも展開を考えています。持続可能なエネルギー社会を実現するための新たな挑戦として、可搬式水素発電装置は重要な役割を果たすことでしょう。地域独自の技術力を駆使し、『小さな水素社会』を全国展開することを志しています。これからの動向が非常に楽しみです。