黒大豆ポリフェノール「クロノケア」が睡眠の質改善に寄与する研究

黒大豆ポリフェノールがもたらす睡眠改善の革新

フジッコ株式会社が新たに発表した研究結果によると、同社が開発した黒大豆ポリフェノール素材「クロノケア」が、睡眠の質や冷えの改善に寄与することが示されました。この研究成果は、2025年6月11日に科学雑誌「Food Science & Nutrition」で発表され、注目を集めています。

睡眠の質に対する危機感

日本はOECDの調査によると、睡眠時間が33か国中で最下位となっており、国民の約70％が睡眠の質に悩んでいるという現状があります。十分な睡眠は健康に不可欠であり、睡眠不足は仕事のパフォーマンスにも影響を与え、大きな経済損失を招いています。このような中、フジッコは黒大豆から抽出した「クロノケア」を用いて新たな解決策を模索してきました。

「クロノケア」の特長と機能

「クロノケア」は、黒大豆ポリフェノールを58%含む機能性素材です。このポリフェノールは強力な抗酸化作用を持ち、体内の酸化ストレスを軽減します。酸化ストレスが低減されることで、自律神経の機能も整えられ、疲労感や日中の眠気を軽減することが確認されています。これらの効果はすでに機能性表示食品として認可されています。

睡眠と体温の関係

睡眠と体温の関係も研究されています。入眠時に手足の温度が上がり、深部体温に対して相対的に上がることで、よりスムーズな入眠が促されます。「クロノケア」には血流を改善し、冷えを緩和する作用があり、これがスムーズな入眠に繋がることが期待されています。

臨床試験の実施

64名の健常者を対象にした臨床試験では、「クロノケア」を1日100mg摂取するグループとプラセボグループに分け、12週間の試験を行いました。その結果、入眠時間が有意に短縮され、起床時の眠気も軽減されることが確認されました。特に女性においては睡眠時間の増加が見られ、睡眠の質が大幅に向上したと報告されています。

研究成果の社会的意義

日本人の多くが抱える睡眠の質の低下や冷えの問題に対して、「クロノケア」は重要な解決策となる可能性があります。睡眠の質が向上することで、仕事の生産性の向上にも寄与する大きな意義があります。今後は機能性表示食品としての届出を進めるほか、自社製品や他社製品への素材販売を計画しています。

これからの研究によって、「クロノケア」が睡眠の質改善だけでなく、日中の疲労感にもさらなる効果を持つことが期待されており、多くの人々の健康をサポートする可能性があります。